遠方の実家の相続の流れは、大きく3つの段階に分けられます。いきなり「売るか、残すか」から考え始めると、手続きの順番が前後して、かえって時間がかかりがちです。まず全体の地図を持っておきましょう。
遠方の実家の相続|3つの段階
| 段階 | 主にすること | 目安の期限(公的な定め) |
|---|---|---|
| ① 相続の手続き | 相続人と財産の確認、遺言書の有無の確認、遺産分割協議(相続人どうしで分け方を決める話し合い) | 相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内(裁判所)/相続税の申告は、死亡を知った日の翌日から10か月以内(国税庁) |
| ② 実家の扱いを決める | 名義を誰にするか、価値と維持費の確認、家族の意向の確認 | 相続登記は、相続で取得を知った日から3年以内(法務省) |
| ③ 実行する | 売る・貸す・管理する・手放す(国庫帰属=国に土地を引き取ってもらう制度など)のいずれか | 選択肢ごとに異なる(税の特例には期限があるものも) |
期限の数字は、裁判所・国税庁・法務省の公式情報(2026年9月時点)で確認したものです。
相続税は、遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、原則として申告は要りません(国税庁 No.4152、2026年4月1日現在法令等)。たとえば法定相続人が2人なら、基礎控除額は4,200万円です。遺産の総額がこれを超えそうな場合は、10か月の期限を意識して、早めに税理士か税務署で申告の要否と税額を確かめてください。
なお、相続放棄(家庭裁判所に申し出て、はじめから相続人でなかったことにする手続き)をすると、実家だけでなく預貯金なども含めて相続しないことになります。実家だけを選んで放棄することはできない点に注意してください。
相続が起きた直後の「最初にやること」は、実家を相続したら最初にやることで期限ごとに整理しています。親御さんがお元気なうちに準備できることは、親の家の終活もあわせてご覧ください。
💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス
3つの段階のうち、遠方の方がつまずきやすいのは「①が終わらないうちに③の話を始めてしまう」ことです。名義や分け方が決まっていないと、売却の話は先に進めません。まず①と②を紙1枚に書き出すところから始めるのがおすすめです。
