夫婦で住宅ローンを組む方法は、大きく分けて4つあります。それぞれ、配偶者の信用情報への依存度が違いますので、まず基礎から押さえましょう。
4つの方法の比較表
| 方法 | 債務者 | 配偶者の信用情報への影響 | 団信 |
|---|---|---|---|
| ① 単独名義 | 本人のみ | 原則影響なし | 本人のみ |
| ② 収入合算(連帯保証型) | 本人(配偶者は保証人) | 配偶者の信用情報も審査対象 | 本人のみ |
| ③ 連帯債務型 | 本人+配偶者(連帯) | 配偶者の信用情報も審査対象 | 本人のみ(機構団信は配偶者も可) |
| ④ ペアローン | 夫婦それぞれが独立した債務者 | 配偶者の信用情報が独立審査 | 夫婦それぞれ加入 |
単独名義|配偶者の信用情報に左右されない選択
ご本人だけが住宅ローンの債務者となる方式です。配偶者の信用情報は原則として審査対象外になるため、配偶者に過去の延滞・債務整理がある場合の選択肢として有効です。
ただし、借入額はご本人の年収のみで決まります。夫婦合算より借りられる額は減りますが、「ご本人の年収だけで希望物件が買える」のであれば、最もシンプルでリスクの低い方法です。
収入合算(連帯保証型)|配偶者の信用情報も見られる
主債務者がご本人、配偶者が連帯保証人となる方式です。配偶者の年収を一部(50%程度)合算できるため、借入額を増やせます。ただし、配偶者の信用情報も審査対象になります。
「配偶者の信用情報がクリアかどうか不明」な状況では、この方式はリスクがあります。後述する「事前確認」が必須です。
連帯債務型|夫婦どちらも対等な債務者に
夫婦どちらもが対等に債務者となる方式です。フラット35が代表的です。連帯保証型と違って、配偶者も100%住宅ローン控除の対象になります(持分に応じて)。
こちらも配偶者の信用情報が審査対象です。配偶者の信用情報に不安がある場合は要注意です。
ペアローン|夫婦それぞれが独立した住宅ローン
夫婦それぞれが独立した住宅ローンを組む方式です。例えば「夫2,000万円+妻2,000万円=合計4,000万円」のように、それぞれが別契約になります。夫婦それぞれが独立した審査を受けるため、配偶者の信用情報の影響を切り分けやすい一方、離婚時のローン整理が極めて複雑になるという大きなリスクもあります。
⚠️ ペアローンの離婚リスク
ペアローンは夫婦それぞれが独立した債務者になるため、離婚しても夫婦の片方がローンを「降りる」ことが極めて難しいです。離婚後も両方が返済を続ける、または家を売って完済する、という選択になりがちです。「絶対に離婚しない」と思っていても、人生何があるかわかりません。ペアローンを選ぶ前に、リスクを十分理解してください。
👨💼 FPの視点(20年の経験から)|「ペアローンありき」で考えない
不動産会社や銀行の窓口で「ペアローンで借入額を増やしましょう」と提案されることが多いですが、必ずしもそれが正解とは限りません。配偶者の信用情報、健康状態、将来の働き方(育休・退職等)、離婚リスクなど、検討すべき要素はたくさんあります。「借入額が増える」というメリットだけでなく、4つの方法それぞれのリスクを比較した上で選ぶことが大切です。一人で判断しにくい部分は、ぜひFPにご相談ください。
