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住宅ローンが払えないときどうする|滞納する前にやる3つの順番

2026年10月10日

「来月の返済が、正直きびしい」
「勤め先の業績が落ちて、ボーナスが出なかった。このままだと続かない」

住宅ローンが払えないときどうするか。こうしたご相談をいただくことがあります。誰にも言えずに一人で抱えてしまいやすい問題です。

先に、いちばん大事なことを申し上げます。滞納する前に、借りている金融機関へ相談してください。 順番を間違えると、選べる手が減ります。

住宅ローンの審査に不安のある方のご相談は、これまでたくさん扱ってきました。苦労するケースは多々あり、そのぶん、いろいろな方法を見てきました。この記事では、滞納する前の段階でできることを、順番に整理します。

なお、この記事は「相談すれば必ず解決する」とお約束するものではありません。できることとできないことを、正直に書きます。すでに滞納が続いて競売の通知が来ている段階の方は、住宅ローンが払えない…競売を避ける「任意売却」とは?をご覧ください。

細井誠

✍️ この記事を書いた人

FPマイスターホーム代表 細井 誠(宅地建物取引士・AFP)

相模原に暮らして40年以上、町田で不動産の仕事をして20年以上。これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきました。「買える家」ではなく、「無理なく、幸せに暮らせる家」をご提案します。趣味はトライアスロン。お客様が納得されるまで、最後までお付き合いします。プロフィール

目次

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この記事でわかること

結論:住宅ローンが払えないときどうするか|滞納する前に金融機関へ相談

やることは3つです。順番が大事です。

滞納する前にやる3つの順番

順番 やること 目的
1 返済予定表と家計を並べて、不足額をはっきりさせる 何がどれだけ足りないかを知る
2 借りている金融機関に相談する 返済方法の変更ができるか確かめる
3 それでも難しければ、売却を含めて考える 傷が浅いうちに判断する

なぜ「滞納する前」なのか

滞納が始まると、できることが減ります。信用情報に記録が残り、返済方法の変更にも応じてもらいにくくなります。最終的には、期限の利益(分割で返す権利)を失い、一括請求へ進みます。

相談の窓口は、滞納していない段階のほうがずっと広いのです。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

ここで誤解されやすいのが「滞納したら相談しよう」という順番です。逆です。まだ払えているうちに相談するほうが、選べる手が多くなります。恥ずかしいことではありません。金融機関にとっても、返してもらえなくなるより、条件を変えて返してもらうほうがよいのです。

住宅ローンの返済が苦しいとき最初にやること|家計と返済予定表を並べる

相談の前に、数字を出します。

用意するもの

  • 返済予定表(借入時に受け取ったもの。手元になければ金融機関に再発行を依頼できます)
  • 直近の家計の記録(通帳、クレジットカードの明細でも可)
  • ほかの借入の明細(自動車ローン、カードの分割払い、奨学金など)

出す数字は3つだけ

不足額を出す

1. 毎月の収入(手取り)     円

2. 毎月出ていくお金の合計     円

(住宅ローン、管理費・修繕積立金、固定資産税の月割、保険、生活費、ほかの借入)

3. 不足額(1 − 2)     円

「いくら足りないか」が分かると、手が選べます

  • ボーナス返済や、ほかの借入の整理で埋まる不足か → 毎月の返済そのものは変えずに済む場合があります
  • 毎月の返済額そのものを下げないと埋まらない不足か → 返済条件の変更の相談になります
  • 返済額を下げても埋まらない不足か → 住み続けること自体を含めて考える段階です

金額の線引きは、ご家庭の収入・支出・残債で変わります。自分の不足額がこの3つのどれに当たるかで、次の手が決まります。

数字があると、相談が具体的に進みます

金融機関に行っても、具体的な数字がないと話が進みません。不足額をはっきりさせてから行くほうが、提案を受けやすくなります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

返済の負担をどう見るかは住宅ローンの返済額は手取りの何%が目安?にまとめています。年収に対する割合ではなく、手取りから考えてください。

金融機関への相談|住宅ローンの返済条件の変更でできること

ここが本題です。

返済方法の変更という仕組みがあります

住宅金融支援機構は、月々の返済でお困りの方向けに、返済方法の変更のメニューを公表しています。機構の融資(フラット35など)の場合、次の3タイプがあります。

住宅金融支援機構の返済方法変更メニュー(機構の公表による)

タイプ 内容 向く方
Aタイプ 返済期間の延長など 離職や病気等で収入が減少し、返済が大変になった方
Bタイプ 一定期間における返済額の減額 しばらくの間、返済額を減らして返済したい方
Cタイプ ボーナス返済分の返済額の変更、ボーナス返済の取り止めなど ボーナス返済が負担になっている方

機構の公表によれば、A・B・Cは同時に組み合わせることもできます(ただしAで元金の支払いの一時休止を希望する場合は、Bとは組み合わせられません)。また、年齢が満70歳以上などの方向けにシルバー返済特例を適用できる場合があるとされています。

手数料はかかりません

機構の公表では、A・B・Cのいずれも手数料不要とされています。

申請先は「返済中の金融機関」です

機構の融資であっても、相談と申請は借入をしている金融機関に行います。機構のカスタマーセンターでは制度の概要は案内していますが、具体的な申請はできません。

民間の住宅ローンの場合

民間の金融機関にも、返済条件の変更に応じる仕組みがあります。内容は金融機関ごとに違いますので、まず窓口に相談してください。

変更には審査があり、希望どおりにならないことがあります

機構の公表では、返済方法の変更中および変更期間終了後も返済を継続できるかが確認され、審査の結果、希望に添えない場合があるとされています。また、内容によっては総返済額が増えることがあります。

「相談すれば必ず通る」ものではありません。そこは正直にお伝えします。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

審査には時間がかかります。機構の案内でも、申請と審査は返済中の金融機関で行われ、一定の時間を要するとされています。余裕のあるうちに動いてください。 来月の返済が危ない、という段階では間に合わないことがあります。

住宅ローンの滞納でやってはいけないこと|借りて返す・連絡を断つ

先にリスクを書きます。ここを避けるだけで、状況の悪化はかなり防げます。

住宅ローンが苦しいときに、やってはいけない4つ

1. カードローンやキャッシングで返済に充てる — 金利がまったく違います。住宅ローンより高い金利で借りて返すと、総額が増えるだけです

2. 金融機関からの連絡を無視する — 連絡が取れない相手には、条件変更の提案もできません。手続きが自動的に進んでしまいます

3. 誰にも言わずに抱え込む — 相談できる段階を過ぎてしまいます

4. 「そのうち何とかなる」と先送りする — 滞納が始まると選べる手が減ります

とくに1番目が危険です

住宅ローンの金利と、カードローンの金利はまったく違います。一時的にしのげても、翌月にはもっと苦しくなります。そして、ほかの借入が増えると、返済方法の変更の審査にも影響します。

2番目も軽く見ないでください

金融機関から封書や電話が来たら、必ず連絡を返してください。「返せないから出られない」という気持ちは分かりますが、連絡を取らないことが、いちばん状況を悪くします。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

メリットより先にリスクをお伝えするのが、当社の方針です。きれいごとを言うより、やってはいけないことを先に知っていただくほうが役に立つと考えています。

住宅ローンを返せないときの選択肢|売却と任意売却

返済方法を変更しても続かない見込みなら、住まいそのものを見直す段階です。

① 自分の意思で売る(通常の売却)

まだ滞納していない段階なら、ふつうに売ることができます。売却代金でローンを完済できれば、借入は残りません。ただし、引っ越し先の確保と費用は別に必要です。

  • 売却価格 > ローン残債 → 完済でき、手元にお金が残ることもあります
  • 売却価格 < ローン残債 → 差額を自己資金で埋められれば売れます

② 住み替えローンを使う

残債が売却価格を上回る場合、残債を上乗せして新しい家のローンを組む方法があります。条件は厳しくなりますが、選択肢の一つです。詳しくは住み替えローンとは?をご覧ください。

③ 任意売却

滞納が続き、金融機関の同意を得て売る方法です。手続きの詳しい内容は、任意売却の記事にまとめています。信用情報への影響は避けられません。

任意売却については競売を避ける「任意売却」とは?に詳しくまとめています。この記事は、その手前の段階を扱っています。

段階によって使える手が変わります

段階 使える手
滞納していない 返済方法の変更/通常の売却/住み替えローン
滞納が始まった 返済方法の変更(難しくなる)/任意売却
期限の利益を失った 任意売却/競売

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

いちばん上の段にいるうちは、選べる手が残っています。今どの段にいるかを確かめてください。 まだ滞納していないなら、まだ広い選択肢があります。

住宅ローンの滞納が信用情報に残るとどうなるか

正直にお伝えします。

記録が残る

返済の延滞は、信用情報機関に記録されます。記録が残っている間は、新たなローンやクレジットカードの審査に影響します。

どのくらいの延滞で記録されるか

金融機関や信用情報機関によって扱いが異なります。「何日遅れたらこうなる」と一律に申し上げることはできません。 ご自身の契約内容と、取引のある金融機関にご確認ください。

自分の記録は、自分で確かめられます

信用情報機関は、本人からの開示請求を受け付けています。心当たりがある方は、確かめておくと今後の判断がしやすくなります。

返済方法の変更と、滞納は別です

金融機関と合意して返済方法を変更した場合と、無断で滞納した場合では、扱いが異なります。だからこそ、滞納する前に相談する意味があります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

カードやスマホの分割払いの滞納が、住宅ローンの審査に影響することもあります。関連する話はクレジットカード滞納と住宅ローン審査にまとめています。

FPの視点|住宅ローンの返済額と家計の見直し|家と暮らしは同じではない

FPの立場から、いちばんお伝えしたいことです。

家を守るために、暮らしが壊れることがあります

  • 食費を削る
  • 子どもの習い事をやめる
  • 必要な医療を後回しにする
  • カードローンで穴を埋める

こうして家を守り続けた結果、数年後に結局手放すことになった。そういう場面を見てきました。途中の数年間に失ったものは、戻ってきません。

判断の軸を2つに分ける

2つの問いに分けて考える

問い1:この家に住み続けたいか

感情も含めて、正直に。子どもの学校、職場との距離、ご家族の希望。

問い2:住み続けると、暮らしは回るか

数字だけで。収入の見込み、不足額、変更後の返済額。

問い1が「はい」でも、問い2が「いいえ」なら、住み替えを考える時期です。逆に問い2が「はい」なら、返済方法の変更で乗り切れる可能性があります。

収入が戻る見込みがあるかどうか

返済方法の変更は、一時的に苦しい時期を乗り切るための仕組みです。

  • 病気で休職中だが、復職の見込みがある → 変更が効きます
  • 勤め先の業績が構造的に悪い → 一時しのぎになる可能性があります

ここを冷静に見てください。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

住宅ローンの審査に不安のある方のご相談を、これまでたくさん扱ってきました。苦労するケースは多々あります。だからこそ、「家を手放さない」ことを目的にしないという考え方が要ります。目的は、ご家族が無理なく暮らし続けることです。

向かない人・よくある失敗|住宅ローンが払えないときの注意点

この記事の範囲を超える方

こういう場合は、先に別の記事・専門家へ

よくある失敗

  1. 滞納してから相談した → 選べる手が減ります
  2. カードローンで返済に充てた → 金利差で総額が増えます
  3. 金融機関からの連絡を無視した → 手続きが自動的に進みます
  4. 不足額を把握しないまま相談に行った → 具体的な提案を受けられません
  5. 「家を守る」を目的にしてしまった → 暮らしが先です

急がなくて大丈夫です、ただし

焦って決める必要はありません。納得いくまで、何度でもお付き合いします。

ただし、相談だけは早いほうがよい。これだけは申し上げます。審査には時間がかかりますし、滞納が始まると選択肢が減ります。

次に確かめること

まず、返済予定表を出して、今の残債と毎月の返済額を確かめてください。手元になければ、金融機関に再発行を依頼できます。

そのうえで、毎月いくら足りないのかを紙に書いてください。この数字があれば、金融機関との相談が具体的に進みます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

相談に行く前に、A4で1枚にまとめておくと話が早く進みます。今の残債、毎月の返済額、手取り収入、毎月の支出、不足額。この5つで十分です。

よくある質問

Q. 何か月滞納すると、どうなりますか?

A. 金融機関や契約内容によって扱いが異なるため、「何か月でこうなる」と一律には申し上げられません。一般的な流れとしては、督促 → 催告 → 期限の利益の喪失(分割で返す権利を失い、残りを一括で請求される) → 保証会社による代位弁済 → 競売、と進みます。ただし、この流れに入る前であれば、返済方法の変更という道が残っています。ご自身の契約でどうなるかは、借入先の金融機関にご確認ください。

Q. 相談したら、一括請求されませんか?

A. 返済方法の変更の相談をしたことを理由に、直ちに一括請求されるということは通常ありません。住宅金融支援機構は、月々の返済でお困りの方向けに返済方法の変更メニューを公表しており、相談を受け付ける前提の仕組みです。一括請求(期限の利益の喪失)は、滞納が続いた場合に進む手続きです。むしろ、相談せずに滞納を重ねるほうが、その段階に近づきます。

Q. ボーナス返済だけをやめることはできますか?

A. 住宅金融支援機構の返済方法変更メニューでは、Cタイプとしてボーナス返済分の返済額の変更やボーナス返済の取り止めが挙げられています。手数料は不要とされています。ただし、審査があり、希望に添えない場合があること、変更の内容によっては総返済額が増えることがあると機構は案内しています。民間の金融機関の場合は、扱いが異なりますので窓口にご確認ください。

Q. 借り換えで解決できませんか?

A. 金利を下げられれば返済額は下がりますが、借り換えには審査があります。返済が苦しい状況では、審査の条件が厳しくなります。また、借り換えには事務手数料、保証料、登記費用、印紙税などの諸費用がかかります。手元資金に余裕がない段階では、現実的な手段になりにくいとお考えください。まずは今の金融機関への相談を優先してください。

Q. 家族に知られずに進められますか?

A. 相談そのものは、ご本人だけでもできます。ただし、返済方法の変更や売却に進む場合、配偶者が連帯債務者や連帯保証人になっていれば、手続きに関わっていただく必要があります。また、売却するとなれば隠し通すことはできません。心情は分かりますが、早い段階でご家族に伝えるほうが、結果として選べる手が多くなります。当社では、匿名でのご相談も承っています。まずお一人でご相談いただいても構いません。

まとめ|不足額を出して、滞納する前に金融機関へ

  1. 滞納する前に金融機関へ相談する。滞納が始まると選べる手が減る
  2. まず返済予定表と家計を並べて、毎月いくら足りないかをはっきりさせる
  3. 住宅金融支援機構の返済方法変更メニューはA(期間の延長など)・B(一定期間の返済額の減額)・C(ボーナス返済の変更・取り止め)。手数料は不要
  4. 申請先は返済中の金融機関。審査があり、希望に添えない場合がある。総返済額が増えることもある
  5. やってはいけないのは、カードローンで返済に充てること、金融機関の連絡を無視すること
  6. 返済方法の変更で続かない見込みなら、滞納前の通常の売却という道がある
  7. 「家を守る」ではなく「暮らしを守る」を目的にする

※この記事の制度・数値は、下記の出典を 2026年10月9日 に確認したものです。制度は改正されることがありますので、実際の手続きの前に最新の公表をご確認ください。

まだ払えているうちに、一度ご相談ください

「来月が危ない」という段階より、「このままだと半年後が苦しい」という段階のほうが、打てる手は多くあります。不足額の整理から、金融機関への相談の進め方、売却を含めた比較まで、一緒に考えます。住宅ローンの審査に不安のある方のご相談を、これまでたくさん扱ってきました。苦労するケースは多々あります。だからこそ、できること・できないことを正直にお伝えします。匿名でのご相談も承ります。焦って決める必要はありません。納得いくまで、何度でもお付き合いします。

🙌 相談は無料です。LINEからのご相談も歓迎です。

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