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変動金利の5年ルール・125%ルールとは?金利が上がったときの返済額

2026年10月4日

「変動金利で借りているけれど、金利が上がったら返済額はどうなるのか」
「5年ルールがあるから大丈夫、と言われた。本当に大丈夫なのか」

町田・相模原で住宅ローンのご相談をいただく中で、よく出てくる質問です。

先に結論を申し上げます。5年ルールと125%ルールは、返済額の変化を遅らせる仕組みであって、支払う利息を減らす仕組みではありません。 返済額が据え置かれている間も、金利が上がれば利息は増えています。増えた分は、後ろに送られているだけです。

そして、もうひとつ大切なことがあります。この2つのルールを採用していない金融機関もあります。 ご自身のローンにルールがあるかどうかは、契約した金融機関の説明を見ないと分かりません。

この記事では、2つのルールの中身と、金利が上がったときに実際いくらになるのかを、前提を明記した試算で示します。金利の先行きについては、私が断定することはできませんので、そこは正直に申し上げます。

細井誠

✍️ この記事を書いた人

FPマイスターホーム代表 細井 誠(宅地建物取引士・AFP)

相模原に暮らして40年以上、町田で不動産の仕事をして20年以上。これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきました。「買える家」ではなく、「無理なく、幸せに暮らせる家」をご提案します。趣味はトライアスロン。お客様が納得されるまで、最後までお付き合いします。プロフィール

目次

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この記事でわかること

結論:変動金利の5年ルール・125%ルールは「返済額の変化を遅らせる」仕組み。利息は減らない

まず、全体像です。

5年ルール・125%ルールの要点

項目 内容 誤解されやすい点
5年ルール 金利が見直されても、毎月の返済額は一定期間(5年)変わらない 「金利が5年間変わらない」ではありません。金利は見直されています
125%ルール 返済額の見直し時、新しい返済額は前の返済額の1.25倍が上限 「返済総額が1.25倍まで」ではありません。毎月の返済額の話です
共通 返済額の中で、元金と利息の配分が変わる 利息そのものが減るわけではありません

金利が上がっても返済額が変わらないと、返済額のうち利息に回る部分が増え、元金に充てられる部分が減ります。つまり、元金の減りが遅くなるということです。

百五銀行が公表している変動金利型住宅ローンのしくみ(2026年10月時点で確認)では、適用金利の見直しは年2回(毎年4月1日と10月1日)に行われ、5年間は毎月の返済額(元金+利息)は一定となる、とされています。そして、返済額の見直し時までに金利が上昇した場合でも、新返済額は旧返済額の1.25倍を超えることはない、とされています。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

「5年ルールがあるから安心」と説明されたことのある方は、何が5年間変わらないのかを確かめてみてください。変わらないのは返済額であって、金利ではありません。ここは取り違えやすいところです。

5年ルールとは|半年ごとの金利見直しと、5年間の据え置き

変動金利型の住宅ローンでは、各金融機関が定める基準金利(短期プライムレートに連動させている金融機関が多い)に連動して、適用される金利が定期的に見直されます。百五銀行の例では、毎年4月1日と10月1日に見直しが行われ、6月・12月の返済日の翌日から新しい利率が適用されるとされています。つまり年2回です。

一方で、毎月の返済額は5年間変わりません。この間、金利が上がれば、返済額の中身が次のように変わります。

返済額の中身が変わるイメージ(元利均等返済=毎月の返済額が一定になる返し方の場合)

時期 毎月の返済額 利息の部分 元金の部分
金利上昇の前 変わらない 少ない 多い
金利上昇の後(据え置き中) 変わらない 増える 減る

なぜ、こういう仕組みがあるのか

急な金利上昇で毎月の返済額が跳ね上がると、家計が立ち行かなくなる方が出ます。それを避けるための激変緩和の仕組みです。生活を守る面では、意味のある仕組みだと私は考えています。

ただし、緩和されているのは変化の速さであって、負担そのものではありません。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

据え置き期間中に金利が上がっていた場合、元金の減りは想定より遅くなります。「5年経ったら、思ったより残高が減っていなかった」ということが起こり得ます。年に一度届く返済予定表で、残高の減り方を見ておいてください。

125%ルールとは|見直し後も1.25倍まで

5年が経つと、返済額が見直されます。このとき、新しい返済額は、それまでの返済額の1.25倍が上限になります。

ここも誤解が多いところです。

「1.25倍まで」の意味

  • ○ 毎月の返済額が、それまでの1.25倍を超えない
  • ✕ 返済する総額が1.25倍までで収まる
  • ✕ 金利が1.25倍までしか上がらない

上限を超える分の負担がなくなるわけではありません。上限で抑えられた差額は、後ろの期間に送られます。 次の見直し、さらにその次の見直し、最終的には完済時に持ち越されていきます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

125%ルールは「支払いを軽くする制度」ではなく「支払う順番を変える制度」です。家計の急変を防ぐという意味では役に立ちますが、総額が軽くなると思って借りると、後で話が違うということになります。

5年ルール・125%ルールがない銀行もある|自分の契約の確かめ方

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

5年ルール・125%ルールは、すべての金融機関が採用しているわけではありません。

たとえばソニー銀行は、公表しているページ(2026年10月時点で確認)で、いわゆる5年ルールや125%ルールに基づく返済額の計算を行っていないとしています。適用金利の見直しの都度、見直し時の基準金利に応じて適用金利が上下し、金利が上昇した場合はその上昇幅に応じて返済額を見直すため、最終返済額にしわ寄せされることはない、という説明です。

どちらが良いということではありません

2つの方式の違い

比べる点 ルールがある ルールがない
金利上昇時の毎月の返済額 一定期間は変わらない 見直しのたびに変わる
家計への影響が出るタイミング 遅れて来る すぐ来る
先送りされる負担 ある(未払利息になることも) ない
向いている方 収入の変動に備えたい方 状況を早く把握して手を打ちたい方

自分の契約を確かめる方法

  1. 借入時に受け取った「商品概要説明書」や「金利変動リスクに関する説明書」を見る
  2. 金融機関のウェブサイトで、その住宅ローンの商品説明ページを開く
  3. 分からなければ、借入先に電話で「5年ルールと125%ルールの適用はありますか」と聞く

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

ご相談でお会いする方の中にも、ご自身のローンにルールがあるかどうかをご存じない方がいらっしゃいます。責めているのではなく、借りるときには金利の数字ばかりに目が行くからです。今からでも確かめられますので、一度見てみてください。

変動金利の未払利息が起きる仕組みと、そのとき何が起きるか

返済額が据え置かれている間に金利が大きく上がると、その月に発生する利息が、毎月の返済額を上回ることがあります。この払いきれない利息を未払利息といいます。

百五銀行の説明(2026年10月時点で確認)では、利息が返済額を上回った場合、その上回った利息は未払利息として翌月以降に繰り延べられ、最終返済期日に未払利息がある場合は、原則として一括して返済することになる、とされています。

未払利息が出ると何が起きるか

  • 返済しても元金がまったく減らない期間が生まれます
  • 繰り延べられた利息が積み上がります
  • 最終返済期日に、まとまった額の一括返済を求められることがあります

ただし、すぐ起きるものでもありません

ただし、少し金利が上がればすぐ起きる、というものでもありません。実際の水準は次の章で計算して示します。先に目安だけ申し上げると、この記事の前提(借入3,000万円・35年・当初0.5%)では年3.5%を超えたあたりです。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

未払利息は、変動金利の話で必ず出てくる言葉ですが、どのくらい金利が上がると起きるのかまで説明されることは多くありません。ご自身の借入額と金利で当てはめてみると、落ち着いて考えられます。

変動金利が上昇したときの返済額をシミュレーションする

ここからは当社の試算です。前提を明記します。将来の金利がこうなると申し上げるものではありません。

試算の前提

借入額 3,000万円/返済期間 35年(420回)/元利均等返済(毎月の返済額が一定になる返し方)/ボーナス返済なし/5年ルール・125%ルールが適用される契約と仮定。当初の5年間は年0.5%が続き、5年後の見直し時に下の表の金利へ一度だけ上がると置いています。将来の金利がこうなると申し上げるものではありません。

この前提での当初の毎月返済額は 77,876円、5年後(60回返済後)の残高は 26,028,858円(残り360回)です。

ここで金利が上がった場合、6年目からの返済額はこうなります。

5年後に金利が上がった場合の毎月返済額(当社試算。上の前提による)

5年後の金利 ルールがなければ本来こうなる 当初の何倍か 125%ルールの上限(97,345円)
年1.5% 89,831円 1.15倍 上限までは届かない
年2.5% 102,845円 1.32倍 上限が効いて97,345円に抑えられる
年3.5% 116,881円 1.50倍 上限が効いて97,345円に抑えられる

ここから読み取れること

  1. 年1.5%程度への上昇なら、125%ルールは働きません。 本来の返済額が上限に届かないからです。ルールがあってもなくても、返済額は同じになります
  2. 年2.5%を超えるあたりから、上限が効き始めます。 ただし抑えられた差額は後ろに送られます
  3. 未払利息は、この前提ではさらに高い水準で起こります。 据え置き期間中(1〜5年目)に金利が上がった場合、その月の利息が当時の返済額77,876円を上回ると未払利息になります。残高が約2,600万円のとき、月の利息が77,876円に達するのは年3.5%を超えたあたりです

この試算はあくまで一例です

借入額、残り年数、当初金利、返済方式が変われば、結果は変わります。借入額が大きいほど、また当初金利が低いほど、上昇の影響は大きく出ます。ご自身の条件で確かめてください。多くの金融機関が、返済額のシミュレーションを公開しています。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

私がお伝えしたいのは「怖がりすぎず、見くびりすぎず」ということです。0.5%から1.5%への上昇でも、月々は約1.2万円増えます。年間で約14万円。この幅に備えられるかどうかは、ご家庭の家計次第です。だからこそ、先に自分の数字で確かめておく意味があります。

FPの視点|変動金利の上昇に備える3つの対策

金利そのものはコントロールできません。コントロールできるのは、家計の側です。

1. 繰上返済で元金を減らしておく

据え置き期間中に繰上返済をして元金を減らしておくと、見直し時の返済額の上がり幅が小さくなります。ボーナスや、児童手当が終わったタイミングなど、家計に余裕のある時期に少しずつ元金を減らしておく方法です。なお繰上返済には、返済期間を縮める「期間短縮型」と、毎月の返済額を下げる「返済額軽減型」があります。見直し時の上がり幅を抑えたい場合は、元金そのものを減らしておくことが効きます。

2. 固定金利への変更を検討する

借入先によっては、変動から固定への切り替えができます。切り替えの条件と手数料は金融機関ごとに違いますので、確かめてください。なお、切り替えるべきかどうかは金利の先行き次第であり、私が「今が切り替え時です」と申し上げることはできません。判断の材料をお出しすることはできます。変動と固定のどちらを選ぶかという話そのものは住宅ローン、変動と固定どっちがいい?にまとめていますので、そちらをご覧ください。この記事は仕組みと試算に絞ります。

3. 家計に余白を作っておく

3つの中で、もっとも自分でコントロールしやすいのがこれです。毎月の返済額が1.25倍になっても暮らしが回るか。先ほどの試算でいえば、77,876円が97,345円になっても大丈夫か。ここに答えられる状態にしておくことが、いちばんの備えです。

「1.25倍でも回るか」を確かめる簡単な方法

今の返済額の25%相当の金額を、毎月別の口座に移してみてください。それで家計が回るなら、上昇に耐えられる余白があるということです。回らないなら、その差額が今の暮らしの余白の限界です。移した分は、そのまま繰上返済の原資になります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

返済の負担をどう見るかは、返済額と手取りの関係でも詳しく触れています。年収に対する割合ではなく、手取りから考えてください。

この記事が当てはまらない人|変動金利のリスクと注意点、次に確かめること

この記事の考え方が当てはまらない方

  • 元金均等返済で借りている方 — 5年ルール・125%ルールは、毎月の返済額が一定になる元利均等返済を前提とした仕組みです
  • 全期間固定金利で借りている方 — 金利の見直しがないため、これらのルールは関係ありません
  • 残りの返済期間が短い方 — 残高が少なければ、金利上昇の影響も小さくなります

注意していただきたいこと

変動金利で、気をつけたい3つのこと

1.「5年ルールがあるから返済額は変わらない」と覚えてしまう — 5年ごとには変わります。そして据え置き中も元金の減りは遅くなっています

2.返済予定表を見ていない — 年に一度届く書類で、残高の減り方を確かめてください

3.借入時の説明書を捨ててしまった — ルールの有無が書かれています。無ければ金融機関に再発行を頼めます

次に確かめること

まず、ご自身のローンに5年ルール・125%ルールがあるかどうかを確かめてください。借入時の商品概要説明書、または金融機関のウェブサイトに書かれています。

そのうえで、直近の返済予定表で残高を見て、「今の残高で金利が1%上がったら、月々いくら増えるか」を計算してみてください。金融機関のシミュレーションで数分で出ます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

確かめた結果、ルールが無い契約だったとしても、悪いことではありません。上昇がすぐ返済額に反映される分、状況が早く分かるという良さがあります。大事なのは、自分がどちらなのかを知っておくことです。

よくある質問

Q. 自分のローンに5年ルール・125%ルールがあるか、どうすれば分かりますか?

A. 借入時に受け取った「商品概要説明書」や「金利変動リスクに関する説明書」に記載されています。手元にない場合は、金融機関のウェブサイトでその住宅ローンの商品説明ページを開くか、借入先に直接お問い合わせください。「5年ルールと125%ルールの適用はありますか」と聞けば答えてもらえます。採用していない金融機関もありますので、思い込みで判断しないでください。

Q. 未払利息は、必ず起きるものですか?

A. いいえ。未払利息は、返済額が据え置かれている期間に、その月の利息が毎月の返済額を上回った場合に発生します。この記事の試算(借入3,000万円・35年・当初金利年0.5%・返済額77,876円)では、残高が約2,600万円のときに月の利息が77,876円に達するのは年3.5%を超えたあたりです。借入額・残高・当初金利によって水準は変わりますので、ご自身の条件で確かめてください。なお、5年ルールを採用していない金融機関では、返済額が都度見直されるため未払利息は生じないとされています。

Q. 今のうちに固定金利へ変えるべきですか?

A. 金利の先行きを断定できない以上、「変えるべきです」とも「変えないほうがよい」とも申し上げられません。判断の材料としては、①残りの返済期間と残高、②固定に変えた場合の返済額、③切り替えの手数料と条件、④家計の余白、の4つを並べて比べることをおすすめします。残り期間が長く残高も大きい方ほど、金利上昇の影響を受けやすいという関係はあります。選び方の詳しい解説は変動と固定どっちがいい?をご覧ください。

Q. 残りの返済期間が短い場合も気にしたほうがよいですか?

A. 残高が少なくなっているほど、金利が上がったときの影響額は小さくなります。残り5年で残高500万円という状況なら、1%の上昇による負担増は限られます。ただし、125%ルールで先送りされた分がある場合、最終返済期日にまとめて精算が必要になることがあります。残り期間が短い方こそ、返済予定表で最終回の扱いを確かめておいてください。

Q. 借り換えたほうがよいか、どう判断すればよいですか?

A. 金利差だけで判断しないでください。借り換えには、事務手数料、保証料、登記費用、印紙税などの諸費用がかかります。これらを含めた総額で比べる必要があります。また、借り換え先の審査があり、健康状態によっては団体信用生命保険に加入できないこともあります。金利差、諸費用、団体信用生命保険の加入可否。この3つを並べて比べてください。

まとめ|まず「自分の契約にルールがあるか」を確かめる

  1. 5年ルールは金利が見直されても返済額を一定期間据え置く仕組み。金利が5年間変わらないという意味ではない
  2. 125%ルールは返済額の見直し時に前の1.25倍を上限とする仕組み。抑えられた差額は後ろに送られる
  3. 2つのルールを採用していない金融機関もある。ご自身の契約は商品概要説明書か金融機関に確認する
  4. 当社試算(3,000万円・35年・当初0.5%)では、5年後に年1.5%なら125%ルールは働かず、年2.5%を超えると上限が効き始める
  5. 備えは3つ。繰上返済で元金を減らす、固定への変更を検討する、家計に余白を作る

金利が上がったらどうなるか、ご自身の数字で出してみませんか

「うちの借入額だと、1%上がったら月いくら増えるのか」。この質問に、具体的な数字でお答えします。町田・相模原で20年以上、宅地建物取引士とAFPの両方の立場で、住まいとお金の両方からご相談を受けてきました。金利の先行きを言い当てることはできませんが、備え方を一緒に組み立てることはできます。匿名でのご相談も承ります。

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