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物件探し

相模原市南区のハザードマップの見方|台地の上なら安心?洪水・内水・土砂の確認点

2026年9月25日

「相模原市南区で家を探しているけど、ハザードマップはどれを見ればいいの?」
「相模大野や東林間のあたりは平らな台地だから、水害は気にしなくていい?」

相模原市南区のハザードマップは、洪水・内水(大雨で下水や水路があふれる浸水)・土砂災害・地震の揺れやすさに分かれていて、1枚だけ見ても家の災害リスクは分かりません。結論から言えば、台地の上だからといって確認を省くことはできません。南区で家を探すときは、「相模川・境川に近いか」「段丘の崖や、周りより低い土地に近いか」「内水の想定に入っていないか」の3つを、物件の住所ごとに確かめることが大切です。
この記事では、相模原市が公開しているハザードマップの種類と入手先、南区の地形と川の特徴、浸水の履歴の調べ方、重要事項説明で説明されること、そして火災保険の水災補償や住宅ローンとの関係を、宅建士とFPの両方の立場からまとめます。

細井誠

✍️ この記事を書いた人

FPマイスターホーム代表 細井 誠(宅地建物取引士・AFP)

相模原に暮らして40年以上、町田で不動産の仕事をして20年以上。これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきました。「買える家」ではなく、「無理なく、幸せに暮らせる家」をご提案します。趣味はトライアスロン。お客様が納得されるまで、最後までお付き合いします。プロフィール

目次

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この記事でわかること

相模原市南区のハザードマップは4種類|市の公式サイトとWeb版の防災マップで見る

4つの地図と入手先

相模原市は、公式サイトの「防災に関する各種マップ」のページに、ハザードマップをまとめて載せています(2026年9月時点。ページの最終更新日は令和8年4月30日)。相模原市南区で家を探すときに使う地図は、次の4つと、それらを1つにまとめたWeb版の地図です。

相模原市南区で確認したい地図(2026年9月時点)

地図 分かること 南区での主な使いどころ
洪水ハザードマップ 川があふれたときに浸水するおそれのある範囲と深さ 相模川・境川・鳩川・道保川の近く
浸水(内水)ハザードマップ 大雨で下水道や水路が排水しきれないときの浸水 台地の上の住宅地を含む南区全体
土砂災害ハザードマップ(南区) 土砂災害警戒区域・特別警戒区域と避難場所 段丘の崖(斜面)や川沿いの急な斜面の近く
揺れやすさマップ 地震のときの揺れやすさ 南区全体
さがみはら防災マップ(Web版) 洪水・内水の想定、避難場所などを1つの地図に重ねたもの 物件の住所から全体を見渡すとき

見る順番

Web版はさがみはら防災マップから開けます。見る順番は、①Web版で全体をつかむ → ②洪水・内水・土砂災害の各マップで、物件の場所を確かめる → ③揺れやすさマップで地震も確かめるがおすすめです。Web版は拡大して住所の近くまで見られるので、物件資料を手元に置いて、場所を探しながら見てください。

国の「重ねるハザードマップ」との使い分け

国の「重ねるハザードマップ」(国土地理院のハザードマップポータルサイト)でも、住所を入れて洪水や土砂災害を重ねて見られます。ただし、重要事項説明(契約の前に、宅地建物取引士が物件や取引の大切な事項を説明する手続き)で使うのは、市町村が作った水害ハザードマップです(詳しくは後の章で説明します)。市の地図を「正本」、国のサイトを「補助」と考えておくと迷いにくくなります。

町田市・相模原市全体の見方は、【町田・相模原】「水害・土砂災害リスク」が低いエリアはどこ?ハザードマップの見方で解説しています。この記事は、相模原市南区に絞って、もう一歩くわしく見ていきます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

地図は「ダウンロードして終わり」にせず、物件の住所に印を付けてから見てください。候補の物件が2つ以上あるときは、同じ地図の上に全部の印を付けて比べるのがおすすめです。場所ごとの違いが、ひと目で分かります。

南区の地形は「台地・段丘の崖・川沿いの低地」|相模川・境川と深堀川を知る

ハザードマップを読む前に、相模原市南区の地形をざっくり知っておくと、色の付き方の理由が分かります。

市の資料にみる段丘の地形

相模原市の資料によると、市の相模原地域には相模野台地が広がり、相模川が何度も流れを変えてできた段丘(川がつくった、ひな壇のような平らな面)が重なっています。相模川沿いの低地は、相模川の氾濫でできた土地で、浸水想定区域が川沿いにあると説明されています(相模原市文化財保存活用地域計画、令和7年11月)。

南区のプロフィールでは、区の南西部を相模川が、北東部を境川が流れていると紹介されています(相模原市、2026年9月時点)。

小学校区ごとの地形

市の「地区別防災カルテ」(小学校区ごとの防災情報。令和8年4月1日時点)には、南区の地形が次のように書かれています。

地区別防災カルテにみる南区の地形(抜粋)

小学校区 地形の説明(要約)
麻溝小学校区 相模川沿いの低地と3段の台地。台地の境は段丘崖。台地の上を鳩川・姥川・道保川が流れる。原当麻駅がある
新磯小学校区 相模川沿いの低地と2段の台地、丘陵地。台地の上を鳩川が流れる。相武台下駅がある。低地の北部は近年宅地化が進む
大野小学校区(古淵周辺) 北東端に境川。境川沿いは一段低い段丘面で、はっきりした段丘崖がある。古淵駅がある
鶴園小学校区 東端に境川。境川沿いは一段低い段丘面で、南部に段丘崖がある
南大野小学校区(相模大野駅周辺) 中央付近を深堀川が北から南へ流れ、川沿いは地盤が低い。北部は地下水路で、地表に浅い谷が見られる。北端付近に相模大野駅がある
上鶴間小学校区(東林間の自治会を含む) 台地の上段で大部分は平ら。北東部の深堀川沿いは急な斜面
東林小学校区(小田急相模原駅周辺) 台地の上段で大部分は平ら。地区の西端に小田急相模原駅がある
相武台小学校区 台地の上段だが、中央部付近の谷を中心に凹凸がある

つまり相模原市南区は、大部分は平らな台地の上にある一方で、西の相模川沿い・東の境川沿いに低い土地と段丘の崖があり、台地の中にも深堀川のような小さな川や浅い谷がある地形です。同じ南区でも、坂を一つ下りただけで条件が変わることがあります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

物件を見に行くときは、駅から物件までの道で坂を下りていないか、周りより低い場所にないかを、歩きながら確かめてください。地区別防災カルテで小学校区の地形を読んでから歩くと、坂や谷の意味が分かりやすくなります。

南区の洪水ハザードマップは「相模川・境川・鳩川・道保川編」|色・深さ・避難の道を見る

相模原市南区で使う洪水のハザードマップは、市の洪水ハザードマップのうち「相模川・境川・鳩川・道保川編」です。市の洪水ハザードマップは、相模川、境川、鳩川、道保川、串川、道志川があふれた場合を想定しています(2026年9月時点)。

想定の条件と公表日

洪水ハザードマップの元になっている浸水想定の公表日

川 浸水想定区域の公表日
相模川(下流域) 平成29年3月31日
境川 平成30年1月26日
鳩川・道保川 平成30年12月21日

これらは、想定最大規模の降雨(1,000年に1回程度起こると想定される大雨)で作られた浸水想定区域(川があふれたときに浸水が想定される範囲)を元にしています(相模原市「洪水ハザードマップ」、ページの最終更新日は令和8年4月23日)。

見る3つのポイント

  1. 色が付いているか:物件の場所が浸水想定区域に入っているか
  2. 深さ:色ごとの浸水の深さ。1階の床より上まで来るのか、床下にとどまるのかの目安になる
  3. 避難場所と道:避難場所までの道が、川沿いや低い土地を通っていないか

相模川沿いの低地は、南区の中でも洪水ハザードマップで色が付いている範囲を確かめたい場所です。一方で、境川沿いでは、川の近くの一段低い段丘面と、崖の上の台地とで条件が分かれます。「相模川から遠いから関係ない」ではなく、物件の場所に色が付いているかどうかで判断してください。

洪水の地図を見るときの注意点

  • 色が付いていない場所でも、浸水しないとは言えません。地図はある条件の大雨を想定したもので、降り方や土地の変化によって、色の外でも浸水することがあります
  • 浸水想定は見直されることがあります。物件を決める時点で、市のサイトの最新の版を見てください
  • 洪水の地図に色がなくても、内水や土砂災害の地図では色が付いていることがあります。1種類だけで判断しないでください

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

洪水の地図は、色の有無だけでなく「深さ」まで見てください。深さが分かると、1階の床の高さ、家財を置く場所、火災保険の水災補償をどうするかなど、次に考えることがはっきりします。

内水ハザードマップは台地の上の町にも想定がある|相模原市の対象町と見方

想定の条件

内水(ないすい)とは、川があふれるのではなく、強い雨に下水道や水路の排水が追いつかず、街の中に水があふれることです。相模原市の浸水(内水)ハザードマップは、平成20年に記録した1時間96.5ミリの雨が市内全域に同時に降った場合に、浸水が広がる範囲と深さを想定しています(相模原市「浸水(内水)ハザードマップ」、ページの最終更新日は令和2年9月14日)。

南区で内水の想定がある町

市のページでは、南区で内水の想定がある町として、旭町、麻溝台、鵜野森、大野台(一部)、上鶴間、上鶴間本町、北里、古淵(一部)、栄町、相模大野、相模台、相模台団地、桜台、相南、西大沼、東大沼、東林間、双葉、文京、松が枝町、御園、南台、豊町、若松、新磯野、磯部、下溝(一部)、新戸、相武台、相武台団地、当麻が挙げられています。

ここで大切なのは、町の名前が入っていても、その町全体が浸水すると想定されているとは限らないことです。浸水の想定は地図の色で示されているので、町の名前ではなく、物件の場所に色が付いているかで確かめてください。逆に、町の名前がないからといって、浸水しないとも言えません。

地図の見方と注意書き

市の地図には、ゲリラ豪雨や土地の状況の変化によって、色が付いていない場所でも浸水が起こる可能性がある、と注意書きがあります。また、今後10年間で市が緊急的に浸水対策を行う予定の区域(浸水対策実施区域)も地図に載っています。台地の上に広がる相模大野・東林間・相模台などの住宅地でも、内水の地図で物件の前の道路や周りの低いところを見ておくと、判断の材料が増えます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

内水の地図は、物件だけでなく「前の道路」や「周りの土地との高さの差」にも目を向けて見てください。現地では、道路より敷地が低くなっていないか、雨水の排水溝がどこにあるかも確かめてください。

土砂災害は段丘の崖の上と下を見る|揺れやすさマップは傾向として使う

南区の土砂災害は、土砂災害警戒区域が段丘の崖の上と下にかかっていないかを見ます。地震は、揺れやすさマップで地盤の傾向をつかみ、建物そのものの耐震性とあわせて判断します。

土砂災害ハザードマップ(南区)

土砂災害ハザードマップは、土砂災害防止法にもとづいて神奈川県が指定した土砂災害警戒区域(イエローゾーン。がけ崩れなどのおそれがある区域)・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン。建物が壊れて命に危険が及ぶおそれがあり、建築に制限がある区域)を、地図に示したものです。相模原市南区の地図は1枚にまとまっていて、令和5年3月に改定されています(相模原市「土砂災害ハザードマップ」、2026年9月時点)。

南区で土砂災害警戒区域を確かめたいのは、前の章で見た段丘の崖(斜面)の上と下、そして境川沿いや深堀川沿いの急な斜面の近くです。平らな台地の上でも、敷地の裏が崖になっている物件はあります。崖の上に建つ家も、崖の下に建つ家も、どちらも確認の対象です。

揺れやすさマップ

地震については、相模原市の「揺れやすさマップ」で、地盤の揺れやすさを確かめられます。国の中央防災会議の検討を元にした想定で、50メートル四方ごとに評価されています(相模原市、ページの最終更新日は令和4年4月1日)。市のページには、平均的な値で示したもので細かい場所ごとの精度には限りがある、という注意があります。地図は「傾向を知るもの」として使ってください。

建物の揺れへの強さは、地盤だけでなく建物そのもので変わります。中古住宅なら、新築の工事に着手した日が昭和56年(1981年)5月31日以前かどうか(それ以前だと、今の耐震基準より前の基準で建てられている可能性があります)と、耐震診断(建物が地震にどのくらい耐えられるかの調査)を受けたことがあるかを、あわせて確かめてください。どちらも、国土交通省の重要事項説明書の様式に載っている確認項目です。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

崖の近くの物件を検討するときは、価格や間取りを比べる前に、「土砂災害警戒区域に入っているか」「崖の高さと、建物までの距離」を先に確かめてください。区域に入っているかどうかで、住宅ローンや税金の条件が変わる場合もあります(後の章で説明します)。

相模大野・東林間は内水、古淵・麻溝は洪水と崖|南区の駅周辺で見るハザードマップ

駅周辺ごとに重点を置く地図

相模大野のハザードマップを見るときは、駅の周りの地形を知っておくと、どの地図を重点的に見ればよいかが分かります。相模原市南区の主な駅の周りを、市の地区別防災カルテの地形の記述から整理すると、次のようになります。

南区の主な駅周辺で確認したいこと

駅・エリア(根拠の小学校区) 地区別防災カルテの地形の記述 ハザードマップで確認したいこと
相模大野(南大野小学校区) 台地の上。地区の中央付近を深堀川が流れ、川沿いは地盤が低い(北部は地下水路) 内水の地図で、深堀川沿いや浅い谷の場所
東林間(上鶴間小学校区) 台地の上段で、大部分は平ら。北東部の深堀川沿いは急な斜面 内水の地図と、深堀川沿いの斜面の近くでは土砂災害の地図
小田急相模原(東林小学校区) 台地の上段で、大部分は平ら 内水の地図で、物件の前の道路や周りの低い場所
相武台(相武台小学校区) 台地の上段だが、中央部付近の谷を中心に凹凸がある 内水の地図と、谷の低い場所かどうか
古淵(大野小学校区) 境川沿いは一段低い段丘面で、はっきりした段丘崖がある 洪水(境川)と土砂災害の地図
原当麻(麻溝小学校区)・相武台下(新磯小学校区) 相模川沿いの低地と、段丘の台地 洪水(相模川・鳩川・道保川)と土砂災害の地図

※東林間駅・小田急相模原駅の周りは、複数の小学校区にまたがります。物件の住所がどの小学校区に入るかは、地区別防災カルテで確かめてください。

相模大野のように台地の上にある駅の周りは、大きな川の洪水より、内水と、小さな川の跡や谷に目を向けるのがポイントです。一方、相模川や境川に近いエリアでは、洪水と崖の両方を確かめます。

エリア選びと組み合わせる

相模大野周辺で住まい探しの候補エリアを比べたい方は、相模大野で家が見つからない方へ|地元FPが選ばれている人気エリア7選を解説【町田・相模原】もあわせてご覧ください。エリア選びの段階で、この記事の確認点を当てはめると、候補を絞りやすくなります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

駅からの近さや買い物の便利さと、災害リスクは、別々に比べると判断しやすくなります。「便利さで候補を3つ選ぶ → ハザードマップで3つを比べる」の順で進めると、どちらかだけで決めてしまうことを防ぎやすくなります。

相模原市の浸水履歴は一覧では公開されていない|告知書・仲介会社・市で確かめる

市が公開している記録と、公開されていないもの

ハザードマップは「これから起こりうること」の想定で、過去に実際に浸水した場所の記録ではありません。相模原市の公式サイトを確認した範囲では、過去に浸水した場所の一覧や地図(浸水実績図)は公開されていません(2026年9月時点)。

市が公開している記録としては、相模原市地域防災計画の資料編(令和8年6月修正)に「相模原市の災害記録」があり、年ごとの市全体の被害が載っています。たとえば、平成20年8月末豪雨(8月28日〜29日)では、市内で床上浸水26件・床下浸水118件と記録されています。ただし、これは市全体の件数で、どの場所が浸水したかまでは分かりません。

また、市の公共下水道(雨水)の整備のページでは、家屋の浸水被害(床上浸水・床下浸水)が起きた実績がある箇所などを優先して、雨水管の整備を進めていると説明されています(ページの最終更新日は令和7年10月29日)。南区の雨水の整備についての問い合わせ先は、市の下水道整備課です。

浸水の履歴を確かめる3つの方法

相模原市で物件の浸水の履歴を知りたいときは、次の方法で確かめます。

  1. 告知書を見る:売主が記入する物件状況の報告書(告知書)に、雨漏りや浸水の記載があるか
  2. 仲介会社に確認してもらう:仲介する不動産会社に、過去の浸水について売主へ確認してもらう
  3. 市に問い合わせる:ハザードマップの内容や地域の状況は、市の担当窓口に問い合わせる

国土交通省のQ&Aでも、ハザードマップの詳しい内容は、作成した市町村に問い合わせるよう案内することが望ましいとされています。

重要事項説明で、水害リスクの説明を受ける

国土交通省は、宅地建物取引業法施行規則を改正し、2020年8月28日から、不動産取引の重要事項説明で「水害ハザードマップにおける物件の所在地」を説明することを義務にしました(2020年7月17日公布。国土交通省の報道発表)。

重要事項説明で水害について示されること(国土交通省の資料より)

項目 内容
対象の地図 水防法にもとづいて市町村が作った水害ハザードマップ(洪水・雨水出水〔内水〕・高潮)
示し方 地図を示して、物件のおおよその位置を示す
区域の外の場合 浸水想定区域の外でも位置を示す。区域の外だから水害リスクがないと誤解されないように配慮する
あわせて望ましいこと 近くの複数の避難所の位置を示すこと、地図は変更されることがあると伝えること

重要事項説明書には、このほかに「土砂災害警戒区域内か否か」などの欄もあります。ただし、説明を受けるのは契約の直前です。気になる物件があったら、重要事項説明を待たずに、この記事の手順で先に確かめておくと、落ち着いて判断できます。

よくある失敗と、向かない進め方

  • 重要事項説明で初めてハザードマップを見て、その場で判断を迫られる(前もって地図を見ておけば防ぎやすくなります)
  • 洪水の地図だけを見て、内水や土砂災害の地図を見ていない
  • 「区域の外だから大丈夫」と考え、火災保険の水災補償を外してしまう
  • 災害リスクを気にするあまり、家計に無理のある価格帯のエリアに予算を広げてしまう

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

購入の申し込みの前に、ハザードマップを印刷して物件の位置を書き込み、ご家族と一緒に見ておくのがおすすめです。重要事項説明の場で「初めて見る地図」をなくしておくと、落ち着いて判断できます。

水災補償は保険料の安さではなく、ハザードマップの結果と家計で決める|火災保険と住宅ローンの関係

ハザードマップの結果は、家の場所選びだけでなく、火災保険の水災補償・住宅ローン・税金にもつながります。ここからはFPとしての見方です。

相模原に40年以上暮らし、町田で20年以上不動産の仕事をしながら、これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきた立場から、ハザードマップは「買うか、やめるか」だけを決める材料ではなく、「どう備えるか」「家計でどこまで備えられるか」を決める材料としてお使いいただきたいと考えています。結果を見てすぐに買う・やめるを決める必要はなく、備えの費用まで計算してから判断する、あるいは「今は動かない」ことも選択肢の一つです。

火災保険の水災補償

火災保険の水災補償は、洪水や内水、土砂崩れなどによる損害に備える補償です。契約内容によって水災が入っているかどうかが違うため、見積書や保険証券で確かめる必要があります。

損害保険料率算出機構(保険料の目安となる参考純率を算出する機関)は、2023年6月の届出で、住宅の火災保険の水災の料率を、市区町村ごとに1等地から5等地までの5つの区分(等地。数字が大きいほど水災のリスクが高いとされる区分)に分けました。5等地の水災の保険料は、1等地のおよそ1.5倍とされています。同機構のサイトの「水災等地検索」で、住所の市区町村の等地を調べられます。ただし、等地は市区町村単位の目安で、同じ南区の中でも物件ごとの状況は違います。

水災補償を付けるかどうかは、保険料の安さではなく、ハザードマップの結果と家計の備えで決めるのがおすすめです。浸水想定区域に入っている、坂の下で低い場所にある、といった物件では、水災補償を外す判断は慎重にしてください。

住宅ローン・住宅ローン減税との関係

  • 【フラット35】では、返済が終わるまで建物に火災保険を付けることが求められています(住宅金融支援機構、2026年9月時点)。水害で家が傷んでも、ローンの残りは減りません。「家の修理費」と「ローンの返済」が重なっても家計が回るかを考えておきましょう
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)で新築住宅を建てる・買う場合、2021年10月以後に設計検査(機構の基準に合っているかの検査)を申し込んだ分から、【フラット35】Sなどの金利引下げメニューが使えません(住宅金融支援機構、2026年9月時点)
  • 国土交通省によると、令和8年度税制改正により、2028年(令和10年)以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」の新築住宅は住宅ローン減税の対象外になります。中古住宅・建替え・リフォームは対象です(2026年9月時点)

災害への備えまで含めた予算の考え方

不動産の判断は、家計と切り離さずに考えるのが基本です。借入額は、金融機関が「貸せる額」ではなく、家計から見て「返せる額」から考えます。災害への備えは、予算を決める段階で次の形に入れておいてください。

住まいの毎月の負担を、災害への備えまで含めて計算する形

毎月の住まいの負担 = 住宅ローンの返済額 +(火災保険料〔水災補償込み〕+地震保険料)÷ 保険期間の月数 + 固定資産税などの税金 ÷ 12 + 修理・修繕のための積立額

  • 火災保険料は、水災補償「あり」と「なし」の2通りの見積もりを取り、両方で計算します
  • 修理・修繕の積立額は、戸建てなら自分で決めて積み立てる額、マンションなら修繕積立金と、専有部分の修理に備える額です
  • この合計が、手取りの収入から見て無理なく払い続けられるかで、予算を決めます

住宅ローンの予算の立て方は、ローン相談のページでもご案内しています。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

ハザードマップの結果は、火災保険の見積もりを取るときにそのまま使えます。水災補償の「あり・なし」で2通りの見積もりを取り、差額と、ハザードマップの深さを並べて比べると、納得して選べます。

よくある質問

Q. 相模原市南区で、水害の心配がない地区はどこですか?

A. 「この地区なら心配ない」と言い切ることはできません。南区の大部分は台地の上ですが、内水の想定は台地の上の町にもあり、色が付いていない場所でも浸水することがあると市の地図に書かれています。物件ごとに、洪水・内水・土砂災害の地図で場所を確かめてください。

Q. 相模原市南区のハザードマップは、どこで手に入りますか?

A. 相模原市の公式サイト「防災に関する各種マップ」のページから、洪水・浸水(内水)・土砂災害・揺れやすさの各マップをPDFで見られます。Web版の「さがみはら防災マップ」では、住所の近くを拡大して重ねて見られます。

Q. 相模大野駅の周りは、洪水の心配はありますか?

A. 相模大野駅の周りは台地の上にありますが、市の地区別防災カルテでは、駅の南側に広がる南大野小学校区の中央付近を深堀川が流れ、川沿いは地盤が低いと書かれています。大きな川の洪水より、内水の地図と、低い場所かどうかを確かめるのがポイントです。

Q. 相模原市で過去に浸水した場所は調べられますか?

A. 相模原市の公式サイトを確認した範囲では、浸水した場所の一覧や地図は公開されていません(2026年9月時点)。地域防災計画の資料編に市全体の年ごとの被害件数は載っていますが、場所までは分かりません。物件については、売主の告知書、仲介会社を通じた売主への確認、市の担当窓口への問い合わせで確かめてください。

Q. 浸水想定区域に入っている物件は、買わないほうがいいですか?

A. 一律に「買わないほうがいい」とは言えません。浸水の深さ、建物の床の高さ、避難のしやすさ、水災補償の保険料と家計の余裕を合わせて判断します。深さが大きい場所や、避難の道が低い土地を通る場所は、ほかの候補と比べたうえで慎重に考えてください。

Q. 重要事項説明で、ハザードマップの説明は受けられますか?

A. 受けられます。2020年8月28日から、売買などの重要事項説明で、市町村の水害ハザードマップ(洪水・内水・高潮)を示して物件の位置を説明することが義務になりました(国土交通省)。ただし契約の直前なので、先に自分で地図を見ておくことをおすすめします。

Q. ハザードマップの結果で、住宅ローンの審査は変わりますか?

A. 浸水想定区域に入っていることを審査でどう扱うかは、金融機関によって違います。申し込む金融機関に確かめてください。制度として決まっているものには、土砂災害特別警戒区域の新築住宅は【フラット35】の金利引下げメニューが使えない、2028年以降に入居する場合は住宅ローン減税の対象外になる、といったものがあります(住宅金融支援機構・国土交通省、2026年9月時点)。

まとめ|相模原市南区のハザードマップは「物件の場所」で確かめる

  1. 相模原市南区のハザードマップは、洪水・内水・土砂災害・揺れやすさの4種類。Web版の防災マップで全体をつかんでから、各地図で物件の場所を確かめる
  2. 南区は大部分が台地の上だが、相模川沿い・境川沿いに低い土地と段丘の崖があり、台地の中にも深堀川などの低い場所がある。台地の上でも確認は省けない
  3. 相模大野・東林間など台地の上の駅の周りでは内水の地図を、古淵・麻溝など川に近いエリアでは洪水と土砂災害の地図を重点的に見る
  4. 浸水した場所の一覧は公開されていないため、告知書・仲介会社・市の窓口で確かめ、重要事項説明の前に地図を見ておく
  5. 火災保険の水災補償・住宅ローン・住宅ローン減税への影響まで含めて、「返せる額」で予算を決める

まずは、気になっている物件の住所を「さがみはら防災マップ」に入れて、洪水・内水・土砂災害のどれかに色が付いていないかを確かめてみてください。色が付いていたら、その深さと、避難場所までの道を書き出しておくと、次に何を考えればいいかがはっきりします。

気になる物件の災害リスク、一緒に確認します

相模原市南区で気になる物件があれば、住所や物件資料をお知らせください。ハザードマップの見方、火災保険の水災補償の考え方、無理のない住宅ローンの予算まで、宅建士とFPの立場から一緒に整理します。

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