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物件探し

築古の中古戸建て購入の注意点|旧耐震・再建築不可・インスペクション

2026年10月10日

「同じ予算で、新築より広い家が買える」
「古いぶん安い。リフォームすれば十分住める」

築古の中古戸建ての購入には、知っておきたい注意点があります。惹かれる理由は、よく分かります。実際、条件が合えば、選択肢になります。

ただし、価格が安いことには理由があります。 そして、理由によっては、買った後で動かせない資産になることがあります。

先に結論を申し上げます。築古の中古戸建ては、「耐震」「再建築」「設備」の3つを、物件資料の段階で確かめてください。 内見より前、できれば問い合わせの段階です。この3つを先に確かめると、見に行くかどうかを判断できます。

当社は、築古・借地権・再建築不可といった、大手が扱いにくいとされる物件も扱っています。だからこそ申し上げるのですが、これらは「悪い物件」ではありません。 向く人には向きます。問題は、向かない人が知らずに買ってしまうことです。

細井誠

✍️ この記事を書いた人

FPマイスターホーム代表 細井 誠(宅地建物取引士・AFP)

相模原に暮らして40年以上、町田で不動産の仕事をして20年以上。これまで1,000件以上のご相談をお受けしてきました。「買える家」ではなく、「無理なく、幸せに暮らせる家」をご提案します。趣味はトライアスロン。お客様が納得されるまで、最後までお付き合いします。プロフィール

目次

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この記事でわかること

結論:築古の中古戸建ての購入の注意点は「耐震」「再建築」「設備」の3つ

まず、確かめる3つです。

物件資料の段階で確かめる3つ

確かめること 何を見るか 分かること
耐震 建築年月日(登記事項証明書・建築確認済証) 旧耐震か新耐震か。ローンと税の優遇に影響
再建築 接道の状況(公図・測量図・重要事項説明) 建て直せるか。将来売れるか
設備 給排水・電気・外壁・屋根の状態 リフォームにいくらかかるか

なぜ資料の段階なのか

内見すると、気に入ってしまうからです。「日当たりがよかった」「庭が広かった」。そこから条件を確かめると、どうしても甘くなります。

先に資料で線を引いておくと、迷いが減ります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

手順としてお伝えしたいのは、「気に入ってから調べる」のではなく「調べてから見に行く」という順番です。築古の物件は、この順番にすると、資料の段階で判断できます。

旧耐震基準の中古戸建ての見分け方|1981年6月より前かどうか

いちばん分かりやすい線引きです。

何年を境にするか

建築基準法の耐震基準は、1981年(昭和56年)6月1日に大きく変わりました。それ以降の基準を新耐震基準、それより前を旧耐震基準と呼びます。

見分け方

「建築年月日」ではなく「建築確認を受けた日」で判断します。 ここが間違いやすいところです。

  • 建築確認を受けたのが 1981年5月31日まで → 旧耐震基準
  • 建築確認を受けたのが 1981年6月1日以降 → 新耐震基準

建築確認の日は、建築確認済証や検査済証で分かります。登記上の建築年月日は、確認を受けた後に完成した日ですので、1981年に建った家でも、確認は前年に取っていることがあります。

登記の建築年だけで判断しないでください

登記の建築年が1982年でも、建築確認が1981年5月以前なら旧耐震です。逆もあります。建築確認済証を見せてもらってください。 紛失していることも多いので、ないなら市区町村で建築計画概要書を取る方法があります。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

「築40年」と聞くと一律に古く感じますが、1981年6月の前か後かで扱いがまったく違います。まずこの1点だけ確かめてください。 問い合わせの電話で「建築確認はいつ付けですか」と聞けば済みます。

再建築不可とは|接道義務と、買えても建て直せない土地

築古の物件で、いちばん重い落とし穴です。

接道義務とは

建築基準法では、建物を建てる敷地は、原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接している必要があります。これを接道義務といいます。

この条件を満たさない土地には、新しく建物を建てられません。これが再建築不可です。

今建っているのに、なぜ建て直せないのか

接道義務ができる前に建てられた家だからです。既存の建物はそのまま使えますが、取り壊すと次が建てられません。

買った後に効いてくること

再建築不可の物件で起きること

  • 建て替えができない — 老朽化しても、建て直せない
  • 住宅ローンが組みにくい — 担保としての評価が低くなります
  • 売るときに買い手が限られる — 同じ理由で、次の買主もローンを組みにくい
  • 火災や災害で失うと、更地のまま — 原則として、保険金が出ても建て直せません

それでも選ぶ人がいます

  • 現金で買える
  • リフォームして長く住むつもり
  • 隣地を買い増せる見込みがある
  • 価格の安さを重視する

当社では、こうした物件も扱っています。向く人には向きます。 ただし、上のリスクを理解したうえで選んでいただきます。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

再建築不可かどうかは、公図と現地の道路の状況で見当がつきます。確定するには役所調査が必要ですが、重要事項説明では必ず説明されます。説明を聞いて初めて知る、という順番にしないでください。問い合わせの段階で聞いてください。

借地権の中古戸建て|所有権との違いと、住宅ローンへの影響

これも、築古の物件でよく出てきます。

借地権とは

土地は地主のもので、建物だけが自分のものという形です。土地を借りて、その上に家が建っています。

所有権との違い

所有権と借地権

所有権 借地権
土地 自分のもの 借りている
毎月・毎年の負担 固定資産税(土地+建物) 地代+固定資産税(建物のみ)
更新 不要 契約の更新が必要(更新料がかかることが多い)
建て替え・増改築 自由(法令の範囲で) 地主の承諾が必要(承諾料がかかることが多い)
売却 自由 地主の承諾が必要(譲渡承諾料がかかることが多い)
価格 相場どおり 所有権より安い

住宅ローンへの影響

借地権の物件は、金融機関によって扱いが異なります。取り扱わない金融機関もあります。また、借地権の種類(旧法借地権・普通借地権・定期借地権)によっても変わります。

「安いから」だけで決めないでください

借地権の物件は、所有権より安く買えます。ただし、地代が毎月かかり、更新料・承諾料といった一時金が将来発生します。35年間の総額で比べてください。 安いとは限りません。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

借地権の物件は、当社が扱っている案件の一つです。地主さんとの関係、契約の内容、残りの存続期間。この3つで、まったく違う物件になります。契約書を見ないと何も言えないというのが正直なところです。契約書を見せていただければ、具体的にご説明できます。

インスペクション|中古住宅の建物状況調査で分かること・分からないこと

築古の物件を買うときの、有力な材料です。

宅建業法上の「建物状況調査」

国土交通省によれば、宅地建物取引業法では建物状況調査と呼ばれ、国の登録を受けた講習を修了した既存住宅状況調査技術者(建築士)が、既存住宅状況調査方法基準に基づいて行う調査を指します。

平成30年4月1日から、既存住宅の取引において、この調査の結果が重要事項説明の対象になっています。

宅建業者の3つの義務

国土交通省の案内によれば、既存住宅の売買で宅建業者には次の義務があります。

  1. 媒介契約を結ぶとき — 建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を書面で交付する
  2. 重要事項説明のとき — 建物状況調査の結果の概要を説明する
  3. 契約が成立したとき — 売主と買主の双方が確認した建物の状況を書面で交付する

分かること

調査は、構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁など)と雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁など)の状況を、原則として非破壊で確かめるものです。

分からないこと

インスペクションの限界

  • 非破壊が原則です。壁の中、床下の奥、天井裏の見えない部分までは分かりません
  • 瑕疵(欠陥)の有無を判定するものではありません。劣化事象があるかどうかを確かめるものです
  • 将来の不具合を保証するものでもありません

国土交通省の資料でも、媒介契約書には建物状況調査の限界を明記し、消費者に伝えることが求められる方向性が示されています。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

インスペクションは「安心を買う」ものではなく、「判断材料を増やす」ものです。それでも、築古の物件では受ける価値があります。劣化事象が見つかれば、価格交渉の材料にもなります。

旧耐震の物件は住宅ローン控除や税の優遇でどう扱われるか

お金に直結する話です。

住宅ローン控除の要件

国税庁の公表(令和8年4月1日現在法令等)によれば、中古住宅で住宅ローン控除を受けるには、建築後に使用されたものであることに加えて、次のいずれかに該当する必要があるとされています。

  • 建築日から取得日までの期間が、耐火建築物以外は20年以下、耐火建築物は25年以下であること
  • 耐震基準に適合する建物であること
  • 一定の要耐震改修住宅で、取得日までに耐震改修の申請をし、居住日までに耐震基準適合が証明されたこと

そのほか、床面積50㎡以上(その2分の1以上を自己の居住用に供する)、合計所得金額3,000万円以下、借入金の償還期間が10年以上といった要件があります。

築年数が古いだけで、控除が使えなくなるわけではありません

耐震基準に適合することが証明されれば、築年数の要件を満たさなくても対象になり得ます。耐震基準適合証明書などの書類が必要です。物件を決める前に、取得できる見込みがあるかを確かめてください。

住宅ローンそのもの

築古の物件では、金融機関によって次のような制約が出ることがあります。

  • 借入期間が短くなる(建物の耐用年数を考慮するため)
  • 融資額が抑えられる(担保評価が低くなるため)
  • そもそも取り扱わない

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

【フラット35】には技術基準があり、中古住宅も適合証明が必要です。詳しくはフラット35は使える?をご覧ください。築古の物件を検討するなら、物件と金融機関をセットで考える必要があります。

FPの視点|築古戸建ては購入価格の安さとリフォーム費用を足した総額で見る

ここが、FPとしていちばんお伝えしたいところです。

「安く買えた」で終わらせない

築古の物件は、購入価格の後ろに費用が続きます。

築古の中古戸建てで、購入後にかかりやすいもの

費目 いつ
水回りのリフォーム(キッチン・浴室・トイレ) 購入直後が多い
給排水管の交換 築年数が古いほど早い
外壁・屋根の塗装、葺き替え 建物と仕様によって幅がある。修繕履歴で実際の周期を確かめる
シロアリの対策 点検と予防
耐震改修 旧耐震の場合
解体費用 将来建て替えるとき

総額で比べる

比べ方

築古の中古戸建て

購入価格 + 諸費用 + リフォーム費用 + 今後15年の修繕見込み

同じエリアの新築・築浅

購入価格 + 諸費用 + 今後15年の修繕見込み(少なめ)

この2つを並べて、毎月の住居費に直してください。返済額だけでなく、固定資産税・保険・修繕の積み立てを足した数字です。

新築と中古の費用の比べ方は新築と中古、どっちがお得?にまとめています。

リフォーム費用は、見積もりを取ってから

築古の物件では、ここの見積もりが判断を左右します。見積もりを取らないと、実際にいくらかかるかは分かりません。 契約の前に、リフォーム会社に現地を見てもらって見積もりを取ってください。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

購入申込みの前に見積もりを取るのは、売主にも不動産会社にも手間をかけます。それでも、購入申込みの前に取っておきたいところです。買った後で「こんなはずでは」となるより、よほどよいからです。

向かない人・よくある失敗|築古の中古戸建てで次に確かめること

築古の中古戸建てが向かない方

こういう方には、おすすめしません

  • 住宅ローンの借入額を目いっぱい使いたい → リフォーム費用の余力がなくなります
  • 購入後すぐに売る可能性がある → 築古は買い手が限られ、売りにくくなります
  • 建て替えを前提にしている → 再建築不可なら実現できません
  • 手間をかけたくない → 築古は点検と修繕が続きます
  • 耐震性を最優先する → 旧耐震なら改修費用を含めて考える必要があります

よくある失敗

  1. 登記の建築年だけで旧耐震・新耐震を判断した → 建築確認の日で決まります
  2. 再建築不可と知らずに買った → 重要事項説明の前に確かめてください
  3. 借地権の物件を「安いから」で選んだ → 地代・更新料・承諾料を35年分で見てください
  4. リフォーム費用を見積もらずに契約した → 見当は外れます
  5. 住宅ローン控除が使えると思い込んでいた → 中古には築年数か耐震の要件があります

「今は買わない」も選択肢です

条件に合う築古の物件が見つからないなら、無理に決めなくて構いません。私は、すぐに売る・買うをお勧めしません。焦って決める必要はありません。納得いくまで、何度でもお付き合いします。

次に確かめること

気になる物件があれば、問い合わせの電話で、次の3つを聞いてください。

  1. 建築確認を受けた日はいつですか(1981年6月1日より前か後か)
  2. 接道の状況はどうなっていますか(再建築できるか)
  3. 土地は所有権ですか、借地権ですか

この3つだけで、見に行くかどうかを判断できます。内見の前に聞いて構いません。

💡 FP細井のワンポイント本音アドバイス

この3つは、問い合わせの段階で確認できる事項です。いずれも、重要事項説明で説明される事項です。 聞き方も「気になるので教えてください」で十分です。

よくある質問

Q. 旧耐震の物件でも、住宅ローンは組めますか?

A. 金融機関によって異なります。借入期間が短くなる、融資額が抑えられる、取り扱わないといった対応に分かれます。【フラット35】には技術基準があり、中古住宅も適合証明が必要です。また、耐震改修を前提とした融資の商品を扱う金融機関もあります。物件を決める前に、複数の金融機関に当たってみてください。当社では、物件の条件に合う金融機関の選び方からご相談に応じています。

Q. 再建築不可の物件は、買ってはいけないのですか?

A. 買ってはいけない物件ではありません。現金で購入してリフォームし、長く住むという使い方であれば成り立ちます。隣地を買い増して接道義務を満たせるようになる場合もあります。ただし、住宅ローンが組みにくいこと、売るときに買い手が限られること、災害で失っても建て直せないことは、知ったうえで選んでいただく必要があります。当社ではこうした物件も扱っていますが、向き不向きを先にお伝えするようにしています。

Q. インスペクションは誰に頼めばよいですか?

A. 宅建業法上の建物状況調査は、国の登録を受けた講習を修了した既存住宅状況調査技術者(建築士)が行います。既存住宅の売買では、宅建業者が媒介契約を結ぶときに「建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を書面で交付することになっていますので、まず担当の不動産会社に相談してください。費用は調査の範囲や建物の規模で変わるため、ここでは金額は書きません。複数社から見積もりを取ってください。

Q. リフォーム費用は、どのくらい見ておけばよいですか?

A. 建物の状態と、どこまで手を入れるかで大きく変わるため、目安の金額は書きません。確かなのは、現地を見てもらわないと分からない、ということです。購入の申込みをする前に、リフォーム会社に同行してもらい、見積もりを取ってください。とくに給排水管、電気の容量、外壁・屋根は、見た目では判断できず、後から大きな出費になりやすい部分です。

Q. 築何年までなら安心ですか?

A. 築年数だけで安心・不安は決まりません。同じ築35年でも、手入れが行き届いた家と、放置された家ではまったく違います。見るべきは、①建築確認が1981年6月以降か、②雨漏りの跡があるか、③給排水管に手が入っているか、④外壁・屋根の修繕履歴があるか、の4点です。売主に修繕の履歴を聞いてください。記録が残っている家は、手入れされてきた家です。

まとめ|問い合わせの電話で、3つを聞くところから

  1. 築古の中古戸建ては「耐震」「再建築」「設備」を、内見より前に資料で確かめる
  2. 旧耐震か新耐震かは、登記の建築年ではなく建築確認を受けた日(1981年6月1日が境)で判断する
  3. 再建築不可は、接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない土地。建て替えができず、ローンも組みにくい
  4. 借地権は地代・更新料・承諾料がかかる。35年の総額で所有権と比べる
  5. 建物状況調査は非破壊が原則で、瑕疵の有無を判定するものではない。それでも判断材料になる
  6. 中古の住宅ローン控除は、築年数(耐火以外20年以下・耐火25年以下)か耐震基準適合のいずれかが要件(国税庁、令和8年4月1日現在法令等)
  7. 購入価格だけでなく、リフォームと今後の修繕を足した総額で比べる

※この記事の制度・数値は、下記の出典を 2026年10月9日 に確認したものです。制度は改正されることがありますので、実際の手続きの前に最新の公表をご確認ください。

築古・借地権・再建築不可、扱っています

大手では扱いにくいとされる物件も、当社では一件ずつ扱ってきました。だからこそ、向く人・向かない人を先にお伝えします。気になる物件があれば、資料を見せてください。建築確認の日、接道の状況、土地の権利。この3つから確かめて、買ってよい物件かを一緒に判断します。住宅ローンが組めるかどうかも、物件とセットで見ます。焦って決める必要はありません。納得いくまで、何度でもお付き合いします。匿名でのご相談も承ります。

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