「住宅ローンの支払いが厳しくなってきた…」
「このままだと競売になってしまう?」
「任意売却って聞いたけど、どういう仕組み?」
結論から言えば、住宅ローンが払えなくなっても「任意売却」という方法で、競売より有利に家を売却できる可能性があります。ただし、早めの相談が重要です。
この記事では、町田市・相模原市エリアで20年間1,000件以上の不動産取引をサポートしてきたFPが、任意売却の仕組みとメリット・デメリットを解説します。
住宅ローンが払えなくなるとどうなる?
まずは、住宅ローンの支払いが滞った場合の流れを確認しましょう。
住宅ローン滞納から競売までの流れ
| 時期 |
状況 |
届く通知 |
| 滞納1〜2ヶ月 |
督促状が届く |
「お支払いのお願い」など |
| 滞納3〜6ヶ月 |
期限の利益喪失予告 |
「○月○日までにお支払いください」 |
| 滞納6ヶ月〜 |
期限の利益喪失、保証会社が代位弁済 |
「代位弁済通知」 |
| 滞納8〜12ヶ月 |
競売申立て |
「競売開始決定通知」 |
| 競売申立て後4〜6ヶ月 |
競売入札・落札 |
「売却許可決定通知」 |
| 落札後1〜2ヶ月 |
強制退去 |
— |
住宅ローンが払えなくなる主な原因
| 原因 |
詳細 |
| 収入減少 |
転職、リストラ、病気、介護など |
| 支出増加 |
教育費、医療費、親の介護費用など |
| 離婚 |
世帯収入の減少、財産分与の問題 |
| 金利上昇 |
変動金利の上昇で返済額が増加 |
| オーバーローン |
無理な借入で返済計画が破綻 |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
住宅ローンが払えなくなる原因は「予測できなかった事態」がほとんどです。購入時は問題なかった方でも、転職、病気、離婚などで状況が変わります。「自分は大丈夫」と思っている方ほど、いざという時に対処が遅れがち。早めの相談が何より大切です。
任意売却とは?競売との違い
任意売却とは、住宅ローンの支払いが困難になった際に、金融機関の同意を得て、競売ではなく通常の売却方法で家を売る方法です。
任意売却と競売の違い
| 項目 |
任意売却 |
競売 |
| 売却価格 |
市場価格に近い(相場の80〜100%) |
市場価格の50〜70%程度 |
| 売却方法 |
通常の不動産売却と同じ |
裁判所の手続きで強制売却 |
| プライバシー |
近隣に知られにくい |
公告されるため周囲に知られる |
| 引越し時期 |
ある程度調整可能 |
強制退去(調整不可) |
| 引越し費用 |
売却代金から捻出できる場合あり |
自己負担 |
| 残債務 |
売却額が高い分、残債が少なくなる |
売却額が低い分、残債が多くなる |
| 精神的負担 |
自分の意思で売却 |
強制的な売却で負担大 |
町田市・相模原市エリアでの具体例
| 項目 |
任意売却の場合 |
競売の場合 |
差額 |
| 物件(築15年・戸建て) |
市場価格 3,000万円 |
| 売却価格 |
2,700万円(90%) |
1,800万円(60%) |
900万円の差 |
| 住宅ローン残債 |
2,500万円 |
| 売却後の残債 |
0円(完済) |
700万円 |
— |
💡 この例でわかること
同じ物件でも、任意売却なら住宅ローンを完済できたのに、競売だと700万円の残債が残ります。この残債は自己破産しない限り支払い義務が残ります。売却価格の差が、その後の人生を大きく左右します。
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
競売になると「売却価格が安い」「残債が多く残る」「強制退去」と、デメリットしかありません。任意売却は金融機関との交渉が必要ですが、ほとんどの金融機関は任意売却に協力的です。なぜなら、競売より任意売却の方が回収額が多いからです。
任意売却の流れと期間
任意売却の具体的な流れと、各ステップにかかる期間を確認しましょう。
任意売却の流れ
| ステップ |
内容 |
期間目安 |
| ① 相談・現状確認 |
専門家に相談、ローン残債・物件価値を確認 |
1〜2週間 |
| ② 金融機関への連絡 |
任意売却の意向を伝え、同意を得る |
2〜4週間 |
| ③ 物件の査定・販売活動 |
不動産会社が販売活動を開始 |
1〜3ヶ月 |
| ④ 購入希望者との交渉 |
購入申込み、価格交渉 |
2〜4週間 |
| ⑤ 金融機関の承認 |
売却価格について債権者の承認を得る |
2〜4週間 |
| ⑥ 売買契約・決済 |
契約締結、決済、引渡し |
1〜2ヶ月 |
⚠️ 時間との戦い
任意売却は競売の入札が始まる前に完了する必要があります。競売申立てから入札まで約4〜6ヶ月。この間に任意売却を完了させなければなりません。相談が遅れるほど、選択肢が狭まります。
任意売却のタイムリミット
| 段階 |
任意売却の可能性 |
| 滞納1〜3ヶ月 |
◎ 十分に間に合う。早めの相談で選択肢が広がる |
| 滞納4〜6ヶ月 |
○ まだ間に合う。すぐに専門家に相談を |
| 競売申立て後 |
△ 急げば間に合う可能性あり。時間との戦い |
| 入札直前 |
✗ ほぼ不可能。競売を止められない |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
任意売却の成功率は「いつ相談したか」で大きく変わります。滞納1〜3ヶ月の段階で相談すれば、ほとんどのケースで任意売却が可能です。しかし、競売申立て後に相談に来られる方も多く、「もっと早く相談していれば…」という後悔をされます。恥ずかしいと思わず、早めにご相談ください。
任意売却ができる条件・できないケース
任意売却にはいくつかの条件があります。また、任意売却ができないケースもあります。
任意売却ができる条件
| 条件 |
詳細 |
| ① 金融機関の同意 |
債権者(金融機関・保証会社)の同意が必要 |
| ② 競売入札前であること |
入札が始まると任意売却は困難 |
| ③ 物件に一定の価値があること |
売却価格がある程度見込めること |
| ④ 所有者の売却意思 |
本人が売却に同意していること |
| ⑤ 共有者全員の同意 |
共有名義の場合、全員の同意が必要 |
任意売却ができない・難しいケース
| ケース |
理由 |
対応策 |
| 競売入札が開始している |
時間的に間に合わない |
入札取下げ交渉(難易度高) |
| 金融機関が同意しない |
売却価格が低すぎるなど |
条件を変えて再交渉 |
| 共有者が反対している |
離婚などで意見が対立 |
弁護士を交えて協議 |
| 税金の滞納がある |
差押えがあると売却困難 |
税務署との交渉が必要 |
| 連帯保証人の同意がない |
連帯保証人も債務者の一人 |
連帯保証人との協議 |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
「任意売却ができないケース」でも、専門家が間に入ることで解決できる場合があります。特に「金融機関が同意しない」「共有者が反対している」といったケースは、交渉の仕方次第です。諦めずに、まずは専門家にご相談ください。
金利上昇時代の住宅ローン返済リスク
2024年以降、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。変動金利で借りている方は、返済額が増えるリスクがあります。
変動金利が上昇した場合の返済額の変化
| 借入額 |
金利0.5% |
金利1.5% |
金利2.5% |
増加額 |
| 3,000万円 |
約7.8万円 |
約9.2万円 |
約10.7万円 |
+2.9万円 |
| 4,000万円 |
約10.4万円 |
約12.3万円 |
約14.3万円 |
+3.9万円 |
| 5,000万円 |
約13.0万円 |
約15.4万円 |
約17.9万円 |
+4.9万円 |
※35年返済、元利均等返済の場合の概算
返済が苦しくなる前にできること
| 対策 |
内容 |
ポイント |
| ① 金融機関への相談 |
返済条件の変更(期間延長、一時的な減額) |
滞納前に相談するのがベスト |
| ② 借り換え |
より低金利のローンへ借り換え |
諸費用との比較が必要 |
| ③ 固定金利への変更 |
変動金利から固定金利へ |
金利上昇前に検討 |
| ④ 繰上返済 |
余裕があるうちに元金を減らす |
金利上昇の影響を軽減 |
| ⑤ 売却の検討 |
早めに売却して住み替え |
滞納前なら有利に売却可能 |
📍 町田市・相模原市エリアの状況
町田市・相模原市エリアでは、2010年代に低金利で住宅を購入した方が多くいらっしゃいます。当時は変動金利0.5%前後で借りられましたが、今後金利が上昇すれば返済額が増加します。特に借入額が大きい方、返済期間が長い方は影響が大きいです。
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
金利上昇局面では、「返済が苦しくなってから相談」では遅いです。返済が苦しくなる前に、今の返済計画が金利上昇に耐えられるかを確認しましょう。「なんとかなる」と思っていると、気づいた時には手遅れになることも。早めの見直しが、将来の安心につながります。
20年間多くのケースを見てきたFPのアドバイス
最後に、20年間で多くの住宅ローン問題に携わってきたFPから、アドバイスをお伝えします。
住宅ローンが払えなくなった時に大切なこと
| ポイント |
詳細 |
| ① 一人で抱え込まない |
恥ずかしいと思わず、早めに専門家へ相談 |
| ② 滞納前に行動する |
滞納する前なら選択肢が多い |
| ③ 競売より任意売却 |
売却価格が高く、残債が少なくなる |
| ④ 時間との戦いを意識する |
相談が遅れるほど選択肢が狭まる |
| ⑤ 生活再建を最優先に考える |
家を守ることより、生活を守ることが大切 |
任意売却の相談先の選び方
| 相談先 |
特徴 |
注意点 |
| 任意売却専門会社 |
専門知識が豊富、実績多数 |
悪質な業者も存在、複数社比較を |
| 地元の不動産会社 |
地域の相場に詳しい |
任意売却の経験があるか確認 |
| 弁護士・司法書士 |
法的なアドバイスが得られる |
不動産売却の実務は別途必要 |
| 金融機関 |
返済条件の変更も相談可能 |
任意売却の専門ではない |
💡 FPからのメッセージ
20年間、多くの住宅ローン問題を見てきました。「もっと早く相談していれば」という方がほとんどです。住宅ローンの支払いが苦しくなったら、恥ずかしいと思わず、すぐに専門家に相談してください。早く相談するほど、選択肢は広がります。競売は最後の手段です。任意売却という道があることを、ぜひ覚えておいてください。
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