「離婚することになったが、家はどうすればいい?」
「住宅ローンがまだ残っているけど、売れるの?」
「財産分与で揉めたくない…」
結論から言えば、離婚時の家の処理方法は「売却」「どちらかが住み続ける」「賃貸に出す」の3パターン。ローン残債がある場合でも売却は可能ですが、オーバーローン(残債>売却価格)の場合は注意が必要です。
この記事では、町田市・相模原市エリアで離婚に伴う不動産売却の相談を20年間で300件以上受けてきたFPが、財産分与の考え方、ローンの処理方法、売却の手順を解説します。
離婚時の家の選択肢|売る・住む・貸す
離婚が決まった時、家の処理には主に3つの選択肢があります。
3つの選択肢の比較
| 選択肢 |
メリット |
デメリット |
おすすめのケース |
| ① 売却する |
清算できる、関係を断てる |
引っ越しが必要、売却に時間がかかる |
スッキリ清算したい |
| ② どちらかが住み続ける |
子どもの環境を変えなくて済む |
ローン・名義の問題、関係が続く |
子どもがいる場合 |
| ③ 賃貸に出す |
ローン返済に充てられる |
管理の手間、共有状態が続く |
売却価格がローンより低い場合 |
実際の選択割合(当社相談者データ)
| 選択肢 |
割合 |
主な理由 |
| 売却する |
55% |
スッキリ清算したい、ローンを終わらせたい |
| 妻(+子ども)が住み続ける |
30% |
子どもの学校を変えたくない |
| 夫が住み続ける |
10% |
ローン名義が夫、通勤に便利 |
| 賃貸に出す |
5% |
オーバーローンで売れない |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
離婚時の家の処理で最もトラブルが少ないのは「売却」です。家を売って現金化すれば、財産分与もシンプルになります。「どちらかが住み続ける」場合は、ローンの名義、連帯保証、養育費との関係など、後々揉めるケースが多いです。
住宅ローンが残っている場合の3つのパターン
住宅ローンが残っている場合、まず確認すべきは「売却価格」と「ローン残債」の関係です。
3つのパターン
| パターン |
状況 |
対応 |
| ① アンダーローン |
売却価格 > ローン残債 |
売却益を財産分与 |
| ② ちょうど |
売却価格 ≒ ローン残債 |
売却してローン完済、分与はなし |
| ③ オーバーローン |
売却価格 < ローン残債 |
差額の補填が必要、または任意売却 |
具体例で見る3パターン
例:購入価格4,500万円、ローン残債3,200万円の場合
| パターン |
売却価格 |
残債 |
差額 |
財産分与 |
| ① アンダーローン |
3,800万円 |
3,200万円 |
+600万円 |
各300万円ずつ |
| ② ちょうど |
3,200万円 |
3,200万円 |
±0円 |
なし |
| ③ オーバーローン |
2,800万円 |
3,200万円 |
▲400万円 |
差額を補填 |
📍 町田市・相模原市エリアの傾向
町田市・相模原市エリアは、ここ10年で物件価格が上昇しているため、「アンダーローン」になるケースが増えています。ただし、購入から5年以内の場合や、諸費用込みでフルローンを組んでいる場合は、オーバーローンになる可能性があります。
財産分与の基本|家はどう分ける?
離婚時の財産分与について、基本的な考え方を解説します。
財産分与の基本ルール
| 項目 |
内容 |
| 分与割合 |
原則として2分の1ずつ(専業主婦でも同じ) |
| 対象となる財産 |
婚姻中に築いた財産(預貯金、不動産、車、保険など) |
| 対象外の財産 |
結婚前の財産、相続で得た財産 |
| 住宅ローン |
マイナスの財産として考慮 |
家の財産分与の計算方法
家の財産価値 = 現在の売却価格 − ローン残債
| 項目 |
金額 |
| 現在の売却価格(査定額) |
3,800万円 |
| ローン残債 |
▲3,200万円 |
| 家の財産価値 |
600万円 |
| 財産分与(2分の1ずつ) |
各300万円 |
名義と財産分与の関係
| 名義パターン |
財産分与への影響 |
| 夫の単独名義 |
婚姻中に取得したなら2分の1ずつが原則 |
| 夫婦の共有名義 |
持分に関係なく2分の1ずつが原則 |
| 妻の単独名義 |
婚姻中に取得したなら2分の1ずつが原則 |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
財産分与は「名義」ではなく「婚姻中に築いた財産かどうか」がポイントです。「俺の名義だから俺のもの」「私がパートで払ったから私のもの」という主張は通りません。2分の1ずつが原則と覚えておいてください。
オーバーローンの場合の対処法
売却価格よりローン残債が多い「オーバーローン」の場合、どうすればいいのでしょうか。
オーバーローンの4つの対処法
| 対処法 |
内容 |
メリット |
デメリット |
| ① 差額を自己資金で補填 |
貯金から差額を払って売却 |
スッキリ清算できる |
まとまった資金が必要 |
| ② どちらかが住み続ける |
ローンを払い続けて住む |
引っ越し不要 |
ローン問題が残る |
| ③ 任意売却 |
銀行の同意を得て残債を下回る価格で売却 |
返済が困難な場合の手段 |
信用情報に影響、残債は残る |
| ④ 賃貸に出す |
家賃でローンを返済 |
売却せずにローン返済 |
共有状態が続く |
任意売却とは?
⚠️ 任意売却の注意点
任意売却は、ローンの返済が困難な場合に、銀行の同意を得て売却する方法です。売却後も残債が残る場合があり、分割で返済することになります。また、信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録される可能性があります。競売を避けるための最終手段と考えてください。
オーバーローンの場合の財産分与
| パターン |
対応 |
| 家だけがマイナス |
家のマイナス分は財産分与の対象外。他の財産で調整 |
| 全体でマイナス(債務超過) |
財産分与はなし。債務の分担を協議 |
| 家はマイナスだが他の財産でプラス |
全体で計算して2分の1ずつ |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
オーバーローンの場合、「売らずに住み続ける」を選ぶ方が多いですが、これには大きなリスクがあります(後述)。差額が100〜200万円程度なら、貯金や親からの援助で補填して売却した方がスッキリするケースが多いです。
離婚時に家を売却する手順
離婚に伴う家の売却は、通常の売却とは異なる点があります。
離婚時の売却 6つのステップ
| ステップ |
内容 |
ポイント |
| ① ローン残債の確認 |
銀行に残高証明を依頼 |
毎月の返済額とは別に確認 |
| ② 不動産の査定 |
複数の不動産会社に依頼 |
3社以上に依頼がおすすめ |
| ③ 売却の合意 |
夫婦で売却・分与方法を協議 |
書面に残す(協議書) |
| ④ 売却活動 |
広告、内覧対応 |
どちらが対応するか決めておく |
| ⑤ 売買契約・引渡し |
買主と契約、ローン完済 |
共有名義の場合は両者の署名が必要 |
| ⑥ 財産分与 |
売却益を分配 |
離婚届の前後どちらでもOK |
離婚前と離婚後、どちらで売る?
| タイミング |
メリット |
デメリット |
| 離婚前に売却 |
財産分与がシンプル、連絡が取りやすい |
離婚が長引く可能性、感情的になりやすい |
| 離婚後に売却 |
冷静に対応できる |
連絡が取りにくい、時効(2年)に注意 |
⚠️ 財産分与の時効は2年
財産分与を請求できるのは離婚から2年以内です。「離婚後に落ち着いたら話し合おう」と先延ばしにすると、時効で請求できなくなる可能性があります。離婚前に売却するか、少なくとも分与方法を書面で合意しておくことをおすすめします。
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
20年間の経験から言えば、「離婚前に売却を完了させる」方がトラブルが少ないです。離婚後は連絡が取りにくくなり、「印鑑がもらえない」「値下げに同意してくれない」といった問題が起きやすいです。感情的になる前に、事務的に処理するのがコツです。
「どちらかが住み続ける」場合のリスク
子どもの学校のことを考えて「妻と子どもが住み続ける」ケースが多いですが、実はリスクがあります。
住み続ける場合の5大リスク
| リスク |
詳細 |
発生頻度 |
| ① 元夫がローンを滞納 |
ローン名義が夫の場合、滞納すると競売に |
非常に多い |
| ② 連帯保証人のリスク |
妻が連帯保証人の場合、夫の滞納で請求が来る |
多い |
| ③ 名義変更ができない |
ローン完済まで名義変更は原則不可 |
ほぼ全員 |
| ④ 元夫の再婚で問題発生 |
再婚相手が「なぜ元妻のために払うのか」と不満 |
多い |
| ⑤ 売却時に連絡が取れない |
将来売りたい時に元夫の同意が必要 |
多い |
リアルな声
😢 トラブル例①:元夫がローンを滞納
「離婚後、私と子どもが住み続け、元夫がローンを払う約束だった。最初は払っていたが、2年後に再婚して支払いが滞るように。気づいた時には競売の通知が届いていた」(町田市・40代女性)
😢 トラブル例②:連帯保証人で請求が
「私が連帯保証人になっていたことを忘れていた。元夫が滞納し、銀行から私に一括返済の請求が来た。払えるわけがなく、自己破産を考えている」(相模原市・50代女性)
住み続ける場合に最低限やるべきこと
| 対策 |
内容 |
| ① 公正証書を作成 |
ローン支払いの約束を公正証書に。滞納時に強制執行可能 |
| ② 連帯保証人の解除を銀行に相談 |
難しいケースが多いが、交渉の余地あり |
| ③ 滞納チェックの仕組みを作る |
毎月の返済を確認できるようにする |
| ④ 将来の売却に備えて合意書 |
売却時の条件を書面で残す |
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
「子どものために住み続ける」という気持ちはわかりますが、元夫のローン滞納で競売にかかるケースを何度も見てきました。子どもを守りたいなら、家を売って新しい住まいを確保する方が安全です。公正証書があっても、元夫に収入がなければ回収できません。
離婚と住宅ローンでよくあるトラブル
離婚と住宅ローンに関するよくあるトラブルと対処法をご紹介します。
よくあるトラブルと対処法
| トラブル |
原因 |
対処法 |
| 売却価格で揉める |
「もっと高く売れるはず」と主張 |
複数社の査定で客観的な価格を確認 |
| 値下げに同意してもらえない |
相手が高い価格にこだわる |
期限を決めて段階的に値下げ |
| 内覧に協力してもらえない |
住んでいる方が協力しない |
売却のメリットを説明、第三者を入れる |
| ローンの名義変更ができない |
銀行が認めない |
借り換えで実質的に名義変更 |
| 連帯保証人を外せない |
銀行が認めない |
借り換え、親族の保証人追加を交渉 |
ローン名義変更の方法
✅ 借り換えで実質的に名義変更
住宅ローンの名義変更は原則できませんが、「借り換え」という形で実質的に名義を変更できる場合があります。例えば、妻が新たに住宅ローンを組んで夫のローンを完済すれば、妻名義のローンに切り替わります。ただし、妻に十分な収入があることが条件です。
👨💼 FPの視点(20年の経験から)
離婚時の住宅ローン問題で最も多いのは「感情的になって話が進まない」ケース。売却を妨害したり、連絡を無視したり。弁護士やFPなど第三者を入れて、事務的に処理することをおすすめします。
20年間300件の相談を受けたFPのアドバイス
最後に、20年間で300件以上の離婚相談を受けてきたFPから、アドバイスをお伝えします。
離婚時の家の処理 5つのポイント
| ポイント |
詳細 |
| ① 「売却」が最もトラブルが少ない |
スッキリ清算できる。住み続けるのはリスクが高い |
| ② 感情を切り離して事務的に |
家の処理は「ビジネス」と割り切る |
| ③ 早めに査定を受ける |
売れる価格を知らないと計画が立てられない |
| ④ 書面で合意を残す |
口約束は必ず揉める。公正証書がベスト |
| ⑤ 専門家を入れる |
FP、弁護士、不動産会社に相談 |
離婚前チェックリスト(住宅関連)
| チェック項目 |
確認内容 |
| ☐ ローン残債を確認したか |
銀行に残高証明を依頼 |
| ☐ 不動産の査定を受けたか |
売却価格の目安を把握 |
| ☐ 名義を確認したか |
不動産、ローン、連帯保証人 |
| ☐ 家の処理方法を合意したか |
売却 or 住み続ける |
| ☐ 財産分与の方法を合意したか |
書面(公正証書)に残す |
💡 FPからのメッセージ
20年間で300件以上の離婚相談を受けてきましたが、「家を売らずに揉め続けている」ケースが本当に多いです。売却すればスッキリ清算できるのに、感情的になって話が進まない。その間に物件価値は下がり、ローンの負担は続き、両者ともに損をします。辛い時期ですが、「家」という資産は早めに処理して、新しい人生に進むことをおすすめします。
離婚と住宅ローン、一人で悩んでいませんか?
FPマイスターホームでは、離婚に伴う不動産売却について、財産分与・ローン処理を含めてトータルでサポートします。
「家を売るべきか迷っている」「ローンが残っているけど売れる?」という方、お気軽にご相談ください。秘密厳守でご相談に応じます。
🙌 相談は完全無料、しつこい営業は一切いたしません。